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今の職場を辞めたい!:それは私だけ?  (RTE-News, February 24, 2020)

The study shows that women are more likely to be dissatisfied with their pay than men.

 企業間の競争もさることながら、技術革新の著しい現代社会において、どの分野でも「talents (才能ある優秀な人材)」が不足している。このため、企業・経営者は、あの手この手を打ち出し、その優秀な人材の確保に躍起だ。成果主義を掲げてみたり、派遣・任期雇用枠の拡大も試みている。

 しかし、雇用主 (employer)と被雇用者 (employee)との間には、仕事(work)あるいは労働の対価として支払われる報酬 (rewardsに対する考え方に、大きなギャップが横たわっている。

 さて、UKに本拠を置く、保険・サービス関連の国際マンモス企業「Anon (エーオン)」は、Irelandで「Employee Mindset Study (働く人の仕事意識調査)」を実施した。そのデータ分析の結果は、Irelandに限らず、ほとんどの先進国の職場に当てはまると考えられる。以下に調査結果の概要をまとめた。

1.今の仕事は、打ち込める仕事か:devotion to their jobs

  働く人の50%以上が「No」と回答。また、63%が来る日も来る日も家計のやりくりや育児に追いまくられ、その負担から開放されたいと願っていた。

2.仕事の満足度:work satisfication

  働く人の多くが不満を抱えている。仕事の見返りとして保証される将来の年金、職場の自己啓発、キャリア開発などについも、満足と回答した人は、わずか34%。

3.給与等は納得できる額か:pay and benefits

 不満足と回答した人:女性24%、男性14%。

   

4.仕事に喜びを感じ、熱心になれるか:be happy and engaged in their jobs

 ベビー・ブーマー世代 (54歳以上)の働き手の 51%は、今の仕事に喜びを感じていると回答。ただし、中堅社員 (workers in mid-career)の 3人に 1人は、一年中、転職の機会を狙っている。

 それよりも若い世代の人は、仕事・職場に対して独自の「expectation (期待)」と「standards (物差し)」をもっている。したがって、若い人を同じ職場につなぎとめるためには、平均を上回る給与と、楽しい職場環境が欠かせない。回答者の50%の意見だ。

おわりに:人々の働き方、労働意識が変化している。銃を持つ人間が、銃を持たない人間を、奴隷のように働かせる時代は、とっくに終わった。今は、労働者をタコ部屋に押し込んで、その自由を奪うことなども、できはしない。若ものは 3k労働 (汚い、キツイ、危険な仕事)など、見向きもしない。いつの頃からか、工事現場は、高齢者か外国労働者の働き場になった。「好きなこと」、「楽しいこと」以外はやりたくない」世代の働き手に、どのような職場環境をつくれば良いのか。難題は山積みだ。

 雇用主が、全ての非雇用者ならびにその家族の幸せや福祉に配慮しつつ、その健康と生活を保証して行くことは、確かに必要だ。しかし、それは、極めて難しい時代になった。

            (写真は添付のRTE Newsから引用)

www.rte.ie