オメガ 3脂肪酸にも、色々。サーモン､ツナ､サバに含まれる「エイコサペンタエン酸 EPA (eicosapentaenoic aci)」､「ドコサヘキサエン酸 DHA (docosahexaenoic acid)」や、芽キャベツ、ナッツ、種子類にたっぷり含まれる「α-リノリン酸 ALA (alpha-linolenic acid)」もオメガ 3脂肪酸の一種だ。
しかし、間違えてはいけない。自然の食品から摂取されるオメガ 3脂肪酸とオメガ 3 (脂肪酸)サプリはまったくの別物だ。オメガ 3サプリがさまざまな病気の予防に効果があるとされ、薬局やネット販売で、その売れ行きが好調ではあるが........。
ところが、最近の研究によると、その宣伝文句とは裏腹に、実は、その予防効果なるものの多くは、ゼロに近いものであった。
オメガ 3サプリに関して、2019年に発表された80編を超える医学論文によると、2型糖尿病に対する「効果 (health benefits)」は皆無と判明。心臓疾患に対する効果も「little (ほとんどなし)」で あった。
また、East Anglia大学の Dr Lee Hooperらの研究チープも、これまでの研究で、オメガ 3サプリが、次の症状に対して、なんの予防効果がないことを明らかにしている。
・anxiety: 不安神経症
・depression：うつ
・stroke：脳卒中
・diabetes：糖尿病
・early death：早死
そして、今回、さらに、100,000人を超える被験者の協力を得て、約1年間に及ぶ、オメガ 3サプリ摂取とガン予防との関連性を確かめる臨床試験が実施された。
結論は「little or no benefit (ほとんどないか、まったくなし」。
むしろ、ガンの種類(とくに前立腺ガン)によっては、発症リスクが、ほんのわずかながら、高まる可能性があることも確認された。
世界市場におけるオメガ 3サプリの売上高は、およそ$33bn (約3兆6千億円)。
おわりに：医薬品メーカ・関係者が、その豊富な資金力と圧倒的な政治力を駆使して、オメガ 3サプリには病気の予防効果あると、どんなに宣伝したところで、「真実」は変えられない。メーカの主張するように、「効果あり」と結論づけた報告もあることはあるのかもしれない。しかし、それは「世界的に権威ある医学雑誌」で認められる必要がある。
(写真は添付のBBC Newsから引用)
