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赤茶のリスと灰色リス:どっちがマヌケ! (BBC-Science & Environment, February 26, 2020)

Red squirrel (c) Victoria Gill

 カナダの公園、大学のキャンパス、道路沿いの並木に植えられたカエデの樹々には、必ずと言って良いほど「grey squirrels (灰色リス)」が走り回っていた。

 そのリスが、いつの頃からか、ヨーロッパに持ち込まれて野生化すると、すっかりUKにも住み着いてしまった。

 しかし、もともと、この地は、野生種「red squirrels (キタリス)」の生息地だった。

 さて、世の中には変わった人がいるものだ。この「greys」や「reds」をペットとして飼うならまだしも、イタチ科の「pine martens (マツテン)」が可愛いと、ペットにする人もいる。

 このテンの仲間は、確かに目が大きく、クリクリしてキュートな顔立ちだ。しかし、鋭い爪を持ち、機敏で、木登りが得意の雑食性。リスが大好物と来る。

 ところで、「Queen's University Belfast」の Mr Joshua Twiningらの研究グループは、リスはリスでも、毛皮の色が「grey」と「red」の種では、この天敵のマツテンに対して、どのような反応の違いを見せるのかと、疑問に思った。

 そこで、北アイルランド各地の、リスの「餌場 (feeding statons)」に、マツテンの匂いをつけて、2種類のリスの反応を観察することにした。

 すると、「red squirrels (キタリス)」は、天敵の匂いをすぐに感知して、警戒するようになった。一方、外来種の「grey squirrels (灰色リス)」は、マツテンの匂いに無頓着。気にするようすも見せなかった。

 どうやら、この違いが、マツテンの襲撃をかわす能力に関係しているようだと、関係者はみる。(研究の詳細は「The Royal Society  Open Science」に発表。)

 しかし、それにしても、外来種のリスは繁殖力が強く、UKでは200万匹を超えた。在来種の「red squirrels」は、外来種の「grey」に押されて、今では15万匹まで数を減らしたという。

おわりに:「squirrels (リス)」を害獣として嫌う人もいれば、ぺットにして可愛がる人もいる。世の中は複雑になった。しかし、凶暴な「raccoon (アライグマ)」を、アニメブームに乗ってペットにしたものの、手に負えなくなって、こっそり、屋外に逃した人が続出した。これが野生化し、今では大勢の人が大変な被害を被っている。その身勝手さ、無責任さは呆れるほど。間違った「動物愛護」が恐ろしい結果を生み出す例だ。

             (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com