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細菌感染は恐ろしい!:大腸菌感染も大腸ガンの原因だった! (BBC-Health, February 27, 2020)

Cancer in the colon

 ヒトの腸内には、数兆個の「腸内微生物 (gut bacteria)」が、互いにバランスを保ちながら生息し、これが健康の保持に役立っていると考えられている。

 その多種多様な微生物には、色々なタイプの「Escherichia coli (大腸菌 E. coli)」も含まれている。

 ところが、その大腸菌の中でも、とくに悪(わる)のタイプの大腸菌IHE3034などは、毒素「colibactin (コリバクチン)」を作り出し、これが腸内壁の細胞をガン化させていることが分かった。(詳細は科学雑誌「Nature」に掲載。)

 オランダの「The Hubrecht Institute (ヒューブレヒト研究所)」のHans Clevers教授らの研究グループは、研究室で培養した「minigut (ミニ大腸細胞)」が大腸菌感染すると、その細胞の DNAが損傷することを実験によって確かめた。

 さらに、この DNA損傷を、大腸ガン患者から採取した5,000ヶ以上のサンプルの DNA損傷に比較したところ、大腸ガン患者の DNA損傷の5%が、「colibactin (コリバクチン)」による損傷に一致した。

 すなわち、大腸ガン患者の20人のうち 1人 (5%)は、大腸菌感染が原因で発症していたことになる。

 なお、大腸ガンの原因としては、大腸菌感染の他にも、喫煙、飲酒、肥満、偏食などが挙げられ、次の 4項目

 

・no smoking:禁煙

・foregoing alcohol:アルコールを控えめに

・keeping healthy weight:正常体重の維持

・eating a balanced diet:バランスの取れた食生活

 

を守ることで、大腸ガンの50%以上は防ぐことが可能。

 毎年、新たに大腸ガンに罹患する患者数は UKで42,000人、日本では158,000人。その他の国でも、大勢の人が大腸ガンで苦しんでいる。ガン発症の予防には、とにかく、その原因とされる要因を一つでも潰すことが大切だ。

 また、細菌・ウイルス感染がガンの原因となる例としては

・HPV infection (ヒト・パピローマウィルス感染) → cevical cancer (子宮頸ガン)

・H. pylori infection (ヘリコバクターピロリ感染) → stmach cancer (胃ガン)

がよく知られている。細菌・ウイルス感染が健康に及ぼす影響も、腸内微生物叢の働きも、未だ十分に解明されていない分野だ。

謝辞:この一文をまとめるに当たって、以下の優れた「The Guardian」の記事も参照した。記して謝意を表したい。

The Guardian: February 27, 2020

・Common toxin made in gut can cause bowel cancer, scientists find

           (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com