車のハンドルを握っているときは、ほとんど気づかないが、サイクリングや散歩に出かけると、道路あるいは道路の周辺に散乱している空缶、ペットボトル、ポテトチップスの空袋、タバコの吸殻などが、目に付く。
北アイルランド (人口約189万人)政府は、環境保護団体「Keep Nothern Ireland Beautiful」と共同で、道端(みちばた)に散乱しているゴミの実態調査を実施した。
調査対象は、北アイルランドの市町村を走る道路で、距離50m区間に限った約1,100箇所。調査期間は2019年1月中旬から3月初旬の約2ヶ月だった。
その結果、道端から回収されたゴミの総数は約130万ヶ、重さにして約28トンに上った。
ゴミを種目別に分類すると、以下のようになる。
種目 個数
1.cigarette butts (タバコの吸殻) :481,000
2.soft drink cans (ソフトドリンクの空缶) :135,000
3.crisps packets (ポテトチップスの空袋) :115,000
4.sweet wrappers (スウィーツの包み紙) : ー
5.plastic bottles (プラスチック・ボトル) :114,000
6.single-use disposable cups (使い捨てカップ):32,000
7.dog waste (犬の糞) :1トン(推定)
なお、ゴミの総重量28トンのうち、約71%はプラスチックゴミが占めた。北アイルランド政府が、毎年、道端のクリーンアップに費やすコストは推定 £45m (約63億円)。大変な額の税金が、ゴミのポイ捨て対策費に消えている。
ポイ捨て行為は、住民の環境意識レベルの低さから来る衝動だ。北アイルランドでは、3人に1人が道端にゴミを捨てたことがあると認めているという。
さて、EU加盟国では、New EU registration (新EU規制法)によって、今後はプラスチックゴミのクリーニング・アップに要するコストを、全面的に「商品のパッケージ業者」が負うことになる。ただし、北アイルランドは EUから離脱することが決まっている。したがって、プラスチック・ゴミやポイ捨てゴミに対しては、北アイルランド政府が独自で対処することが求められる。
(写真は添付のBBC Newsから引用)