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人の食べているものが食べたい!:それはカモメも同じだった  (BBC-News, February 26, 2020)

Herring gull scavenging food

 「Bird watching」を趣味にしている人が多い。しかし、カモメ(seagulls)だって「Human watching」をしている。カモメの場合は、もちろん趣味とは違う。生き残りをかけて「人間が何をするのか」、その行動を注意深く観察、監視しているのだ。

 Exeter大学の Dr Laura Kelley、Miss Madeleine Gooumasらの研究グループは、カモメのエサ探しに、人間の動作 (people’s actions)が関連しているのではないかと考え、これを確かめる実験を行なった。

 なお、これまでの研究で、カモメの目に目を合わせて睨みつけると、ポテトチップスなどを持っていても、警戒して近づかないことが分かっている。

 そこで、今度は、目線を隠すためにサングラスを掛け、市販のスナック菓子 flapjacks (パンケーキ)をラップに包んで、2個のバケツに一つずつ入れ、これを両手に持って、Cornwallの海岸の町 Falmouth, St Ives, Newquay, Penzance、それに Devonの Plymouthに出かけた。

 海岸を歩いて、1羽の「herring gull (セグロカモメ)」に狙いをつけると、そのカモメから8m程離れた場所に座って、バケツを引っくり返し、中のお菓子が見えないようにした。次に、バケツを実験者の両サイドに離した後で、これを取り除いて 2つのお菓子を地面の上に並べると、その一つを手に取って立ち上がり、これを食べるフリをした。

 カモメに、この一連の動作を十分に見せつけた (20秒間)後、手にしたお菓子を元の位置に戻し、カモメから十分な距離まで離れて、カモメの動きを観察した。

 この実験を38羽のカモメに実施したところ、なんと、カモメ19羽(74%)が、真っ先に向かうのは、実験者が手にとって見せつけたお菓子だった。つまり、カモメは、人間の行動を観察し、人間の手にしたものを欲しがる傾向の証 (あかし)だ。(Dr Kelleyらの研究結果は「The Royal Society Open Science Journal」に発表。)

 カモメのエサは魚、無脊椎動物 (ウニ、ヒトデ、エビ、カニなど)、家庭ゴミ、埋立地生ゴミなどだ。このため、カモメは、エサの確保が容易な、海岸の市街地にコロニーを作って住み着くようになった。

 なお、「The Royal Association for the Protetion of Birds (英国王立鳥類保護協会)」は、カモメにパン屑やポテト・チップスなどを与えないようにと注意を呼びかける。人間にエサをもらえることが当たり前になると、ますます大胆になって、顰蹙(ひんしゅく)をかう鳥になってしまうというのだ。

おわりに:カモメの鋭く、冷たい目。他の鳥の雛(ひな)を容赦なく襲っては、食い殺す獰猛さ。あれは嫌いだ。

謝辞:この一文をまとめるに当たって,以下の優れた「The Guardian」の記事も参照した。記して謝意を表したい。

The Guardian: February 26, 2020

・Seagulls prefer food touched by humans, study suggests

               (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com