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どこも悪くないのに咳(せき)が続く:そんな人が世界で約6億人! (BBC-Health, February 26, 2020)

A man coughing

 喉(のど)が、いがらっぽくて、つい咳をしてしまうことがある。花粉症の時期やジメジメした湿気がこもる梅雨どきも、しつこい咳に悩まされる。それが夜昼となく続くときは、まさに「debilitating symptoms (衰弱性症状)」となり、体力が消耗する。

 しかし、驚いたことに、はっきりした理由の分からない咳の症状で悩まされている人が、世界では約6億人(全成人の約10%)もいるという。

 それが、人によっては何十年も咳が取れない。しかも、これまで、咳止めの特効薬がなかったと聞いて、二度びっくり。

  ところが、Manchester大学の Jacky Smith教授らの研究グループは、「Gefapixant (ゲファピクサントMK-7264)」の臨床試験 (crinical trials)を実施し、この新薬には、慢性的な咳 (chronic cough)に対して安全かつ効果的な治癒作用があることを明らかにした。

 この研究に参加した被験者は、UK、USに在住の男女合わせて258人の患者。いずれも、体には特に異常が認められないのに、咳が出て止まらない人ばかりだった。その咳で苦しんだ病歴は平均14.5年。

 さて、臨床試験では、被験者を新薬グループと対象グループに分け、両グループのそれぞれの患者に「Gefapixant (ゲファピクサントMK-7264)」か「placebo (プラシーボ)」を、1日2回服用してもらう。その試験が12週間 (3ヶ月)続いた。

 すると、試験前に、平均して1時間に24 - 29回も咳をしていた患者が「Gefapixant」を 3ヶ月間服用した結果、咳の回数は半減以下 (平均して1時間に11回)になっていた。

 ちなみに、プラシーボ・グループにも「プラシーボ効果」が認められ、咳の症状は平均して 1時間に18回と、大きな改善が見られた。

 なお、開業医の Dr Gabrielle Macaulayは、この新薬の画期的な治療効果を認めつつも、どんな患者にも、この薬を「over-prescription (過剰処方)」してしまうリスクが発生しかねないと心配する。

 そうは言っても、「咳の苦しみは、咳で苦しむ人でなければ分からない」だろうが。

 ただし、「long-lasting coughs (長引く咳)」には要注意。咳が 3週間以上続くなら、一度、専門医に診てもらった方が良い。ごく稀ではあるが、「慢性閉塞性肺疾患 (chronic obstructive pulmonary disease)」や「肺ガン (lung cancer)」の一症状として咳が続くこともあるためだ。

           (写真は添付のBBC Newsから引用)

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