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なぜ、生まれた村に家を建てられない:その理不尽さ! (その2) (RTE-News, February 19, 2020)

Breanndán Begley built a small house on a truck trailer in 2015 and moved it to the family farm

 とうとう、しびれを切らした Mr Begleyは、行動に出る。

 2015年のことだ。自分の家を「truck trailer (トラック・トレーラ)」に乗せて、農地に運び込んでしまったのだ。

 これに対して、当局は「即刻、除去せよ」との「enforcement order (施行令)」を発令する。『Mr Begleyが運び込んだ家は、目立ちすぎて、周りの景観にそぐわない。また、これを認めてしまうと、吹きっさらしの、脆弱な自然の中に、ドンドンと家が立ち並んでしまいかねない』というのが、その主な理由だ。

 当局の行政命令に従わない場合は、懲役刑 (禁固2年)ならびに最高£12.6m (約15億2千万円)の罰金が課されるという。

 ただし、行政府「Kent County Council」は、政治家・官僚が言い逃れの際に使う、次の一言を忘れない。

"It doesn't comment publicly on specific or individual cases.”

[ 個別の案件については、コメントを差し控えさせていただく。]

 そして、これは「Gaeltacht communities (ゲールタハト・コミュニティ)」」に対する行政府の差別的な仕打ちではないか、との主張も退けた。

 さて、Mr Begleyは、ここを立ち去る気持ちなど、もうとうない。自分の生まれた村から出て行きたくないのだ。

 『当局がどうしても、自分を刑務所に入れると言うのなら、入ろうではないか。しかし、この Irelandがイギリスによって統治、支配されていた時代なら、ともかく、なぜ、今、自分がこの地から追い出されなければならないのか。

 そもそも、2006年、行政の将来計画に関する事前打合せの際に、当局は、この村に新築の家がふさわしいと言っておきながら、後になって、その言をひるがえし、ここに建物を建てるな、自分の生まれた村に住むなと言う。』

"It's ridiculous.”

[ それは、おかしなことではないか。]

おわりに:どんなに春の遅い高山の草花にあっても、どんなに苛酷な荒地に生える雑草であっても、そこに生きる植物にとって、そこが最高の幸せの地に違いない。強風が荒れ狂う高山の尾根にあって、その幹を捻じ曲げられながらも、しっかりと大地に根を這わせ、必死で生き抜くハイマツ (Pinus pumila)の生命力には脱帽だ。

 ケント州議会のメンバーは、一度、その肩書を捨て、ケント州の、そして Irelandの将来を、地元住民と一緒になって考えるべきではないか。

             (写真は添付のRTE Newsから引用)

www.rte.ie