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なぜ、生まれた村に家を建てられない:その理不尽さ! (その1) (RTE-News, February 19, 2020)

 「ヨーロッパ最西端の半島は、どこ?」と尋ねられて、正しく解答できる人は、ほとんどいないに違いない。それは、Ireland 南西端の「Dingle Peninsula (ディングル半島)」だ。ここは、住民が日常的に「Gaelic (ゲール語)」を話す「Gaeltacht area (ゲールタハト地区)」。

 この半島の東側は、高い山の峰々が連なる厳しい自然環境にある。添付されたRTEの映像によると、よほど強い風が吹くと見えて、辺りには樹木がまったくない。

 そこに、小さな村「Baile na bPoc (バリー・ナ・バック)」がある。村の住民は、ずうと昔から、野を駆け抜ける強い風にも負けず、ほとんどジャガイモしか栽培できない痩せこけた大地に、へこたれることもなく、必死でこの地で生き抜いて来た。

 Ireland全土で約100万人が亡くなったと言われる「The Great Famine(大飢饉)[1845 - 1849]) 以前の1841年,この村には、少なくとも235人が暮らしていた。その後、村は、イギリスとの独立戦争の動乱に巻き込まれ、結局、現在、人口はわずか25人を数えるのみに減少した。

  しかし、今、不思議なことに、若者がこの地に家を建てて暮らしたいと願っても、州政府の「建築認可 (planning permission)」がなかなか下(お)りない。

 Mr Breanndán Begleyは、この村「Baile na bPoc (バリー・ナ・バック)」に生まれた。父親も、そのまた両親も、この地で生まれ、この地で生きたIrishであった。

 そして、Mr Begleyは著名な音楽家になった。Mr Begleyは自分の生まれた故郷の、この村に帰り、家を建てたいと思って、行政府「Kent County Council (ケント州議会)」に住宅建築申請を提出した。

 ところが、Mr Begleyが、何度、申請を繰り返しても、ことごとく、その許可申請は却下された。気がつくと、最初に役所に出向いて申請を提出したときから、13年の月日が経っていた。

  (次回につづく)     (写真は添付のRTE Newsから引用)

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