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「痛み止め」は麻薬・違法薬物の同類:飲み過ぎに注意! (BBC-Health, February 6, 2020)

woman holding pills

 頭が痛い、膝が痛いと言っては、病院で「painkiller (痛み止め、鎮痛剤)」を処方してもらい、これを飲み続けていては、「predcription drug addiction (処方薬中毒」になってしまう。

 「Public Health England」が昨年発表した報告書によると、多くのイギリス人がオピオイド系鎮痛剤、抗うつ薬睡眠薬などの薬物依存症から逃れなくなっていると警告している。 

 とくに、強い鎮痛効果をもたらす「codein (コデイン)」、「morphine (モルヒネ)」などの「オピオイド系鎮痛剤 (opioide medicines)」は、これまで、ガン患者や死期が迫った患者に対して広く使用されて来た。

 しかし、そもそも、どんな鎮痛剤であれ、それは痛みの原因を解消する薬ではない。単に、痛みの感覚をごまかしているに過ぎない。したがって、痛みがとれて、病気が治ったと思うのは「obsession (妄想)」だ。

 UKでは、年間約500万件もの鎮痛剤が病院で処方されている。しかもその約1/4に当たる約120万件を、患者が連続して1年間飲み続けている。なぜ、医者は、こうも多くの、そして頻繁に鎮痛剤を処方しているのか。

 その背景には、「医者の過酷な勤務状況が関与している」と、Birmingham大学の Jamie Coleman教授は指摘する。 

 医者は、余りにも多くの患者を診断する必要に迫られ、患者の症状や痛みの原因に深く踏み込むことをせずに、痛みを訴えた患者に対して、鎮痛剤で処理してしまっているというのだ。患者の痛みは「grief (悲しみ)」、「 social isolation (社会からの孤立感)」、「 mobility isuues (日常生活上の行動の制約)」などが原因となっているケースも少なくない。このため、本来は「mental health care (メンタル・ヘルス ケア)」が必要だ。

  しかし、その余裕はない。結局、体の痛みの感覚をごまかすように、患者の治療を鎮痛剤で片付けてごまかす。

 さらに、Coleman教授は、少量の鎮痛剤なら、誰でも薬局の店頭販売 (over-the-counter sale)で購入できる、UKの医薬品販売制度にも問題があると指摘する。これに違法薬物の闇取引が加わると、薬物依存あるいは薬物依存死亡者が急上昇し、やがて、手に負えない状況になることは、USの例 (年間オピオイド処方件数:数億件) を引き合いに出すまでもなく、火を見るよりも明らかだ。 

おわりに:麻薬・違法薬物に関しては、常習者の扱う薬物量が少ないの、犯罪件数が少ないといった問題ではない。それは「新型コロナウイルス感染」と同じようなものだ。感染率が低い、死亡率が小さいなどと、軽い気持ちで侮(あなど)っていると、社会はとんでもない混乱に巻き込まれる。また、医者は忙しすぎると苦言を言うが、一方で、医学部の定員を増やすことに反対する。これを矛盾という。

            (写真は添付のBBC Newsから引用)

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