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アフリカ豚コレラ:中国・東南アジアで猛威をふるう! (BBC-Business, December 19, 2019)

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 ブタ肉は栄養価の高いタンパク源。ところが、今、世界中の養豚農家を震撼させているのは「African swine fever (アフリカ豚コレラ)」だ。
 
 「The World Organaisation for Animal Health (世界動物保健機関)」によると、この豚コレラウイルスは、人間にとって無害だが、ブタに感染すると100%死に至る恐ろしいウイルス。ウイルスの生命力は強靱(robust)で、ウイルス単独で 7日間、冷凍ブタ肉の中でも数ヶ月間生き延びることができる。主として、野生のイノシシ (wild boars)が感染を広げているとされる。

 今年2019年に、豚コレラの被害が最も大きかったのは中国。養豚場で飼育されていた豚の 55%が、豚コレラに感染して死んだ。このため、ブタ肉の価格が急上昇。この結果を受けて、ブタ肉ばかりか、牛肉・鶏肉の価格も高騰した。

 これがインフレを煽(あお)り、中国の今年の「consumer prices (消費者価格)」は4.5%の増加となった。

さらに、「The UN Food and Agriculture Organaisation (国際連合食糧・農業機関)」の調査によると、豚コレラウィルスは中国から、以下の近隣諸国に感染が拡大し、

・Vietnam
・Philippines
・Indonesia
・Mongolia
・Cambodia
・South Korea
・North Korea
・Myanmar
・East Timor

果ては、東ヨーロッパ、サハラ砂漠以南のアフリカ諸国までが、豚コレラウィルスの感染地域となった。

 また、オランダの金融機関「Rabobank (ラボバンク)」の調査によると、ベトナムの、2019年における「ブタ肉の生産量 (pork production)」は、21% 減少し、来年度はさらに29%減になる見通し。一方、フイリピンでは、2010年に養豚場の豚の頭数が国全体で13%減になると推定する。

  なお、この12月18日(水)、インドネシアの農業省が、突然、「North Sumatra (北スマトラ州)」で約30,000頭の豚が豚コレラ感染で死んだと発表した。

 この一連の豚コレラ感染の拡大にあって、神経をとがらせているのは、地理的にインドネシアに近いオーストラリア。 
 豚コレラウィルス感染を何とか くい止めようと、急遽、$45m(約49億円)の予算を当てて、検閲 (quarantine)体制を強化している。この6ヶ月間で、旅行客や郵送小包(mail packages)から押収した「pork products (ブタ肉加工品)」は約32トン。この内の 49%から、豚コレラウィルスが見つかっている。

 ドイツでも、ポーランドとの国境付近で野生のイノシシから豚コレラウィルスが検出され、当局が感染防止対策・検閲の強化に乗り出している。

★2019年は、これにて暫時休憩。読者の皆さん、どうぞ良いお年をお迎えください。

                                                                      (写真は添付のBBC Newsから引用)

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