植物 (plants)は地球の生態系のバランスを保つためには、無くてはならない存在だ。地球上の生物の食糧・餌となり、大量の酸素O2を供給してくれるばかりか、人類にとっては、有用原料･医薬品素材として欠かせない大切な生物資源でもある。
ところが、最近になって、「Institut de Recherche pour le Développement (仏国立持続可能研究所IRD)」の Dr Gilles Daubyらの研究グループは、これまで生物多用性に富むとされて来た「tropical Africa (熱帯アフリカ)」の植物相(flora)を調査した。
その結果は悲惨だった。熱帯植物の約1/3 (およそ7,000種)が「potentially threatened (絶滅の可能性が増大している)」状態にあることが分かったのだ。
熱帯アフリカの中でも、とくに多くの植物種が絶滅の危機に曝されている地域は、西アフリカ･エチオピア、それにタンザニアとコンゴの一部で、その一帯では、植物種の40%以上が「風前のともしび」状態だった。(研究の詳細は「Science Advances」に発表。)
数え切れないほど多くの貴重な植物が、地球上から次々と姿を消している背景として、次の点が挙げられる。
・deforestation：森林破壊
・land-use changes：土地利用の変化
・popular growth：人口の増大
・economic development：経済発展
・climate change：気候変動
なお、「The International Union for Conservation of Nature (国際自然保護連合IUCN)」の「絶滅危惧種」調査は、「mammal species (哺乳類)」、「bird species (鳥類)」に関しては、それぞれ86%、67%完了しているが、地球上の「plants species (植物種)」は余りにも多く、全体の8%も調査が進んでいない。
おわりに：欲に目が眩(くら)んだヒト属(Homo)は、辺り構わず森や草原に火を放ち、木を切り倒し、地面を掘り返して来た。そして、自然が荒廃し、水も食糧も手に入らなくなり、病気が蔓延した。その愚かな振る舞いに、まだ気がついていない。
謝辞：この一文をまとめるに当たって、以下の優れた「The Guardian」の記事も参照した。記して、謝意を表したい。
The Guardian: November 20, 2019
・One-third of tropical African plant species at risk of extinction - study
(写真は添付のBBC Newsから引用）
