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純粋ハチミツが加糖ハチミツだった:核磁気共鳴分析NMRで暴露! (BBC-News, November 25, 2019)

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 金田一春彦氏は、その国語辞書で、『商(あきな)いとは、(もうけるため)品物を売り買いすること』(学研 現代新国語辞典、改訂第3版、2002)と定義した。
 したがって、損をする商売は、商いにならない。けれども、その「商い」に「まやかし」や「ごまかし」があっては、詐欺になる。しかし、世の中、「ごまかし」、いや慎重に言葉を選択するならば、「グレー」に分類される商品で溢れかえっている。

 ところで、誰しも、価格が同等のハチミツを買うなら「加糖ハチミツ」よりも「純粋ハチミツ」が良いに決まっている。ところが、この「純粋 (pure)」が、またややこしい。品質表示も不確かだ。たとえば「premium quarity honey (高品質ハチミツ)」と表記されていても、それが「純粋ハチミツ」である保証はない。消費者を英文字で煙に巻いて、当局の追求には、逃げ道をつくって置く。何とも巧妙な手口だ。

 さて、商いの「不正直さ (dishonesty)」の事情は、UKとて大差がない。
 「Tesco (テスコ)」と言えば、UK国内約2,000店舗を含む世界中に6,800店舗の小売りチェーンを展開する多国籍企業。その「revenue (総収益)」は£63,911M (約9兆円)、「operating income (営業収益)」は£2.262M (約3,119億円)と、巨額な収益を上げている。

 その「Tesco」が自社ブランドの純粋ハチミツ「Tesco Clear Honey 454g」を販売。価格は 1瓶£1.35 (約191円)だった。

 しかし、Londonの「Richmond council (リッチモンド・カウンセル)」が、消費者からの苦情の連絡を受け、専門家にその「純粋ハチミツ」の成分分析を依頼した。分析に使われたのは、糖分源を正確に特定できる「nuclear magnetic resonance (核磁気共鳴分析法NMR)」。 結果は「クロ」。「100% pure」と謳(うた)っていながら、シュガー・シロップを混ぜた「加糖ハチミツ」だった。

 この分析結果に対してTesco」側は猛反発。『我が社は、ハチミツ商品については定期的に検査し、食品基準に準拠していることを確認している』と主張。
 ただし、「for further examination (さらなる検査のために)」との理由で、指摘された商品を、系列チェーン店から全て回収した。

 Queen's University Belfast (Northern Ireland)で「food safety (食品の安全)」が専門のChris Elliott教授は次のように語る。

" They are claiming they are 100% sure it is pure honey. If they are correct then the testing method is wrong. If it proves to be adulterated then Tesco doesn't have the control over their supply chain they claim. "

[ テスコは、純粋ハチミツの「純粋」の確からしさが100%であると主張している。テスコが間違っていなければ、検査方法が間違っているのだ。その商品が加糖ハチミツであることが証明されている限り、テスコが系列チェン店を掌握していないことになる。

                                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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