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カビ臭い古物置き場の博物館:館内の空気までよどんでいる! (BBC-News, November 25, 2019)

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 博物館は過去にタイム・スリップする不思議な空間だ。しかし、その「謂(いわ)れ」も変わっている。英語の「museum」はギリシャ語「Mouseion」に由来し、それはギリシャ神話の9女神「Muse (ミューゼ)」の館 (seat [やかた])あるいは神殿 (temple)を意味した。英語で「博物館」の意味となったのは1683年のことだ。

 「The Britain Museum (大英博物館)」は別にして、博物館は、どこも代わり映えしない、見飽きた、陳腐なものを展示するようになった。歴史資料は大切だが、それが文化の発展にどのように関わったのかが伝わって来ない。学芸員・職員の意欲・熱意も冷めた。

 そうこうする間に、すっかり時代から、あるいは時代の要請から取り残されてしまった。館内には陰気な雰囲気が漂い、ただ学芸員・職員が、時折、見回っては、入館者に睨(にら)みを利かせ、入館者が興味ある展示品に近づこうものなら、『触れては、ダメ!』と入館者を諫(いさ)め、たしなめるだけだ。
 そして、なぜか、開館時間が遅く、閉館時間が早い。あれこそ、利用者の便宜を無視した、典型的なお役所仕事。

 さて、England南西端のCornwall (コーンウォール)は、地下資源が豊かな土地だった。古代ギリシャ人は船団を組んで地中海を進み、青銅づくりに欠かせないスズSnをCornwallに求めた。
 そのCornwallに「The Royal Cornwall Museum (王立コーンウォール博物館)」が建ったのは、1818年。明治維新に先立つこと、50年も昔のことだ。

 博物館には、貴重な鉱山の歴史資料が保管、展示され、地域文化の中心となって来た。
 しかし、この200年以上の伝統・歴史を誇る博物館も、近頃は、訪れる人がめっきり減った。これまでと同じように、その辺に「古物(archives)」を並べて、人が見に来るのを待つ時代は終わったのだ。

 博物館はそのソフト、ハードのいずれの面からも、「modernisation (近代化)」、「evolution(進化)」が求められている。今は、混迷の時代だ。実は、博物館に対する現代社会の期待が大きいことを、当の博物館は理解していない。その期待に応えようと、努力しない限り、博物館の存在意義(raison d'être)」が希薄になるだけだ。

 「The Royal Cornwall Museum」の管理・運営に当たる「museum's trust」会長のMs Julie Seylerは、2020年1月31日をもって、一旦、この博物館を閉館することに決めた(来年9月再開予定)。建物の修理もさることながら、十分な時間を掛けて、今後、100年先を見据えた博物館のあり方を検討したい考えとか。
                                             (写真は添付のBBC Newsから引用)

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