ヒロシのWorld NEWS

世界のニュースを日本語でお届け!

地質屋の「猫かぶり」:石油会社の金 握って、口を閉じ! (BBC-Science & Environment, November 18, 2019)

f:id:hiroshinews:20191125075026p:plain

 薄汚れた心の持ち主が、うわべをつくろい、立派なことをしている振りをする。これを「hypocrisy (偽善)」とも「猫かぶり」とも言う。
 英語「hypocrisy」はギリシャ語「hupokrisis」に由来し、その意味は「acting of a theatrical part (役者の芝居ぶり)」だ。

 似たような英語に「hippo (カバ)」がある。しかし、こちらは汚れた川の中に住んでいても、その心はきれいな動物。 
 
 世界の石油市場を席巻する「Exxon Mobil」などの石油メジャー各社はじめ、多くの石油会社は、これまで、「climate science (気候科学)」を否定し、地球の「climate change (気候変動)」など存在しないと、これも否定し、今日の「climate emergency (気候非常事態)」を招いた張本人だ。

 一方、地質屋そしてその団体である「Geological Society (地質学会)」は、人類の化石エネルギーへの依存が気候変動をもたらし、それがとんでもない結果を招きかねないことを誰よりも知っていた。また、折りに触れて、「気候変動に向けた取組みが必要だ」と何度も声明を発表して来た。
 けれども、その学会が、気候変動を招いた、当の「石油会社」から多額のスポンサー基金を受け取って来たことについては、決して口にすることがなかった。
 地質屋にとって、高額な俸給が得られる石油会社は、魅力的な就職先でもあったのだ。

 世間的には気候変動に警告を発し、その裏で、金が欲しいがために、膨大なCO2排出の元凶先に「媚びへつらう (cosying up up)」地質学会。それは、まさに

「It's madness. (気狂いじみている)」

 「humanity (ヒューマニティ)」に反する活動をし、人々の生活・暮らしよりも、会社の利益を優先する石油会社。これに媚びて連携を深めようとする地質学会。
 University College Londonの Bill McGuire教授は、この地質屋集団の「hypocrisy (偽善)」は、どんな「excuse (言い訳)」も「justification (正当化)」もできないと強く非難する。

 なお、McGuire教授は、地質学会「The Geological Society for London」で40年以上の会員歴をもつ古参のリーダー格だったが、これまでの気狂いじみた学会の偽善行為に飽き飽きし、地質学会から脱退した。
 
 余談だが、近年、地質屋は、「水圧破砕採法 (hydraulic fracturing)」についても、確かな証拠もないのに、環境に影響を及ぼさない安全な新技術であると言い張り出した。

おわりに:原題の「blast」は、「火山が噴火、爆発する」ことにも、怒りが爆発して「reproach severely (激しく非難する)」ことにも使用される。
 大学では学生に知識・知恵を与えることができても、分別を諭すことはできない。まして、社会から非難を受けるような業界・団体から研究支援金 (委任経理金)を受け取っていては、教える側の分別が問われよう。せめて教育・研究に携わる科学者だけでも、清廉潔白 (integrity)でありたいものだ。

                                            (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com