ヒロシのWorld NEWS

世界のニュースを日本語でお届け!

鉛で汚染された水道水:ひた隠しに隠した秘密があばかれた! (BBC-News, November 4, 2019)

f:id:hiroshinews:20191113044441p:plain

 「Et tu, Canada ? (カナダよ、おまえもか)」。これは何としたことか。自然保護・環境汚染対策が進んだ、敬愛する国カナダ。その国でとんでもない水質汚染の実態が明るみになった。

 カナダ全域に広がる11の主要都市。その「water supply (上水道施設)」で2014 - 2018年にかけて採取された水サンプル12,000件の約1/3から、国の水質基準 5ppbを上回る鉛Pbが検出されたのだ。
 とくに鉛の汚染濃度が高かった都市は
・Montreal
・Oakville
Regina
・Prince Rupert
高い濃度の鉛Pb汚染は、子どもの発達障害 (IQ低下)、高血圧症、心臓病を引き起こす。

 さらに、調査チームは、カナダ国内の32都市に住むボランティアの協力を得て、「older homes (古い家屋)」260戸の水道水(飲み水)を分析した。すると、そのサンプルの約39%から水質基準をはるかに超える鉛Pbが検出された。

 この広範囲にわたる鉛汚染の最大の原因は、「antiquated pipes (老朽化した水道管)」と「public service lines (公共水道網)」にあるとされる。しかし、詳しいことはまだ明らかにされていない。何も知らずに、汚染された水道水を飲んでいたとされるカナダ人は、推定およそ500,000人。
 2015年にUSのMichigan (ミシガン州)の都市 Flint (フリント)で起きた水道水の鉛汚染事件。今回のカナダの鉛汚染は、それに比べて、はるかに汚染範囲か広く、まさにカナダ国内全域にわたっていた。USでは当時のオバマ大統領が非常事態を宣言したほど大変な騒ぎになった。さてカナダのTrudeau首相は、この危機をどのように乗り切ろうとするのだろう。

 そもそも、この水道水の鉛汚染が発覚した切っ掛けは、数年前に日刊紙「Toronto Star」のジャーナリスト Mr Robert Cribbが、自宅の水道水を検査したところ、高い濃度の鉛Pbが検出されたことだった。当局は、定期的な水質検査を実施しているにもかかわらず、水道水が鉛で汚染されていることをひた隠しに隠していたようだ。
 Mr Cribbは、それを「insidious (狡猾)」と切り捨てる。

  すぐに、Concordia 大学「The Institute for Investigative Journalism (事実の究明・報道研究所)」を中心に、カナダ・メディア各社のジャーナリストならびにカナダ国内の9大学の研究者からなるプロジェクト・チームが形成され、水道水の水質調査が始まった。    こうして、都市の水道水であっても、高い濃度の鉛で汚染されていることを突き止めたのだ。

f:id:hiroshinews:20191113044705p:plain

 カナダは清流に恵まれた国だ。しかし、飲み水の水質基準は「provinces (州)」によって異なり、まるで「patchwork (パッチワーク)」の様態をとることも、この調査で明らかになったと言う。Quebec (ケベック州)は、なぜか、鉛Pbに関する基準値を連邦政府の基準値よりも2倍も緩い10ppbと定めていた。

 それに、カナダの川の水は清らかに流れても、当局の心は濁りっぱなし。
水質科学を専門とする「École Polytechnique de Montréal (モントリオール理工科大学)」のMichèle Prévost教授は次のように語る。

"The one thing that's really missing across Canada is transparency."
[ カナダの国に事実上欠けているもの、それは透明性]。]

                                             (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com