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草原・森林から蜘蛛、トンボ、ミツバチ等が急減!:だれのせい? (BBC-Science & Environment, October 30, 2019)

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 つい、十数年前まで、秋の空には、数え切れないほどの赤とんぼが飛び交っていた。もう、二度と、そんな風景を見ることはないだろう。
 トンボに限らず、フンコロガシ、ミツバチ、コーロギ、カマキリも皆、地球上にあっって、ともに生を営む生物の仲間だ。

 昆虫 (insects)は、自然の生態系 (ecosystem)の一部を構成し、小鳥やカエル・トカゲ、コウモリなどにとって大切な餌になり、植物にとっては、花の受粉の重要な担い手である。
 その昆虫が世界中で激減している。とくに、近年、先進国におけるミツバチの減少が著しい。また、自然保護区 (native reserves)でさえ、この30年間で、「flying insects (飛翔昆虫)」の「biomass (生物量)」が75%も減少したとする報告もある。

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 そこで、「Technische Universität München (ミュンヒン工科大学)」の Dr Sebastian Seiboldらの研究グループは、2008 - 2017年において、ドイツ国内3地域の草原 (grasslands)150ヶ所、森林 (forests)140ヶ所で採集した約100万に及ぶ昆虫(約2,700種)のデータを分析し、年度ごとに変化する昆虫の「biomass (生物量)」「abundance (個体数)」「species number (品種の数)」を調べた。
 すると、約20年間で、草原、森林のいずれも、生息する昆虫の種が約2/3に減っていることが分かった。

 とくに、農地の影響を受けやすい草原では、生物量、個体数、昆虫種はそれぞれ67%減、78%減、34%減を記録し、森林でも、生物量は41%減、昆虫の種目は36%減だった。

 昆虫が自然界から消えた最大の原因は、化学肥料と農薬 (pesticides)をふんだんに使う「intensive agriculture (集約農業)」だ。それに気候変動 (climate change)が追い打ちを掛ける。
 Dr Seiboldらは、生物の生息環境を保護し、地球全体の健全な生態系 (ecosystem)を維持するためには、「land-use politics (土地利用政策)」の「paradigm shift (抜本的な思考の変換)」が欠かせないと訴える。

おわりに:小麦や野菜・果実を収穫する農業経営者にとって、「insects (昆虫)」は敵以外の何物でもない。『農薬を空中から散布して、何が悪い』、と息巻くに違いない。しかし、農薬で特定の昆虫だけを死滅させることは不可能だ。その農家の息子の代になって、気がついたら、農地を含む地域一帯から、トンボも蜘蛛もミツバチも消え、森や空には小鳥が飛ばないことになりかねない。
                                                              (写真は添付のBBC Newsから引用)

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