人生には、自分の力だけではどうしようもないことが多々あるものだ。それを一々心配 (worry)したり、不安 (anxiety)をつのらせて狼狽 (panic)したところで、どうにもなるものではない。つまり心配しようがしまいが、起こるものは起こる。その「outcome (結果)」に変わりはない。
心配するよりも、不安に思うことに対して、今、何ができるのか、あるいは何かできることはないかに集中力を向けた方がいい。やるべきことをやって、それでもうまく行かなかったら、それはそれで良いではないか。
これが、添付したRTEの記事の主旨だ。
人間は、「突然、目の前にクマが現われる」などの危険に遭遇すると、副腎髄質ホルモン「adrenalin (アドレナリン)」を分泌して体に次のような「fight or flight response (闘争か逃走の反応)」を促す。
・心拍数、血圧を高めて俊敏な行動を可能にする
・瞳孔を開いて、入光量の増、視野の拡大を図る
・呼吸をはやめて、酸素吸入量を増やす
・発汗によって体温を下げる
・手足の筋肉に送る血液の量を増やす
その結果、差し当たって、戦いあるいは逃走に不用な胃などの「digestive system (消化器官)」に送る血液が少なくなるため、次の症状が現われる。
・nausea:吐き気
・butterflies:ドキドキ
・churning:ムカつき
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これらは全て、人間の危険に対する自然な防御反応だ。「anxiety (不安障害)」、「panic disorder (パニック障害)」の疾患で、これらの症状に悩まされたとしても、それは、「仮想のクマ」に怯(おび)えて、アドレナリンが仕向けた仕業だ。
クマがそこにいなかったら、危険はない。
「仮想のクマ」が怖くて、家の中(あるいは心の中)に閉じ籠もっていても、不安は消えない。その不安から解放されるためには、はじめはちょっとの時間で良いので、不安に感じるもの、すなわち「仮想のクマ」を直視することだ。つまり、不安の対象に自分自身を曝(さら)してみる。それができたら、次に、その「クマ」を観察する時間を徐々に長くする。すると、「仮想のクマ」の姿は薄れて、やがて消えてしまうという。
おわりに:「Knowledge is power. (知は力なり)」。不安とは何かを知ると、むやみに不安を恐れることがなくなる。不安を感じることがあったら、精神を鍛え、力量を磨くことだ。
(写真は添付のRTE Newsから引用)