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「食べたい物しか食べない」、そのどこが悪い?:失明するだけさ! (BBC-Health, September 3, 2019)

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 「大嫌いな人 (aversions)」とは口も利きたくないし、顔も見たくない。それは分かる。
 しかし、大嫌いなものは食べたくないと、我が儘を通して「偏食 (fussy eaten)」を重ねることには同調しかねる。

 子どもは、「食べたくないものは食べたくない」とがんばり、大人も、子どもに「食べたくないものは食べなくても良い」と、間違った子育てをしていると、その結果は悲惨だ。「malnutrition (栄養失調障害)」に「vitamin deficiency (ビタミン欠乏症)」を招き、「sight problems (視覚障害)」につながる。最悪、「sight loss (失明)」となりかねない。

 England南西部の港湾都市「Bristol (ブリストル)」に17歳の「adolescent (若もの)」が住んでいた。この若ものは、小さい頃から好き嫌いが激しく、小学校を出ると、口にする物はもっぱら「ポテトチップス」になった。時折、精白パン、ハム・ソーセージに手を伸ばすものの、フルーツ・野菜は大嫌いだと見向きもしなかった。
 つまり、大事な体の成長期に、来る日も来る日も、ほとんど「crisps & chips (ポテトチップス)」しか食べなかったのだ。

 この匿名の若ものが14歳になると、「feeling tired (疲れやすい)」「unwell (気分が優れない)」と訴え始める。病院で診察を受けると「vitamin B12 deficiency (ビタミンB12欠乏症)」と診断され、その後、ビタミンサプリの投与治療などを受けた。
 しかし、我が儘な、この子どもは、途中で治療も食事療法も放棄してしまう。

 そして17歳になった。それまでに、我が儘し放題の子どもの視力は、すっかり衰え、失明 (blindness)の瀬戸際まで追い込まれた。やむなく、眼科病院「The Bristol Eye Hospital」に駆け込む。その診察を担当した Dr Denize Atanは驚く。

 この若ものは、まだ17歳だと言うのに、ビタミンB12, D、それにCu, Seなどのミネラル成分も極端に不足していて、骨はボロボロの状態だった。
 「avoidant-restrictive food intake disorder (回避・制限性摂食障害)」が招いた「malnourished (栄養失調症)」は、若もの目の網膜の中心に「blind spots (盲点)」をつくり出し、視力は、からくも「peripheral vision (周辺視野)」しか残されていなかった。
 このため、ひとりで歩くことはできても、自動車の運転も、本を読むこと、TVを観ること、人の顔を見分けることさえできなくなってしまっていた。

 「nutritional optic neuropathy (栄養性視神経症)」は、症状の発見が早ければ治療が可能だ。しかし、発見・治療が遅れて視神経繊維が死滅すると、その視覚障害を回復することは望めなくなる。
 なお、Dr Atanは、一連の診断・治療記録をまとめ医学雑誌「Annual of Internal Medicine Journal Report」に発表した。

おわりに:バランスのとれた食事、適度な運動、ストレスのない健康な毎日がどんなに大事で幸せなことなのかは、病気になって見ないとわからない。また、気づいたときには、手遅れのことも少なくない。

                    (写真は添付のBBC Newsから引用)

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