30代になって、社会人として独り立ちすると、仕事や家族の世話などで、何かと忙しくなる。毎日の生活が追い立てられるように、慌ただしく過ぎていく。
その30代の人が、「高血圧 (high blood pressure)」なんて関係ない、そんなもの、計ったこともない、と大見得を切っていては、危ない。
とくに、30代、40代の若い人にとって、自覚症状がなくとも、高血圧が続くと、脳内神経細胞に萎縮が起こり、「vascular dementia (血管性認知症)」のような「neurodegenerative disease (脳神経変性疾患)」を加速させることが分かってきた。
University College London「Queen Square Institute of Neurology (クィーン・スクウェア神経学研究所」のJonathan Schottらの研究グループは、1946年生まれの被験者500人に対して、血圧値と脳スキャン画像検査主体の追跡調査を実施し、その結果を医学雑誌「Lancet Neurology」に発表した。
それによると、30-40代に血圧が高いと、高齢期なってからの脳に「a knock-on effect(波及効果)」を及ぼし、「blood vessel damage (脳血管損傷)」や「mini strokes (軽度の脳卒中)」を招く恐れがあるという。
治療が難しいとされる認知症 (dementia)。それは、60代、70代になって、突然、発症するものではなかった。実は、30-40代の高血圧が脳神経細胞に異常をもたらし、それが、徐々に進行して行った結果とも言える。
『光陰矢の如し』は、振り返ってみないと、実感がわかないものだ。しかし、自分は「若いから」と、高を括っていると、すぐに筋力が衰え、足腰が弱まる。脳さえ、萎縮し、物忘れもひどくなる。
おわりに:どんな人にとっても、『鉄は熱いうちに打て』、『転ばぬ先の杖』は名言。
(写真は添付のBBC Newsから引用)