オメガ3脂肪酸サプリ：これは糖尿病患者にとって薬か毒か (BBC-Health, August 22, 2019)
掃除、力仕事、運動が大嫌いな人。それだけなら良いが、ポテトチップス、ドーナッツ・ハンバーガーなどのジャンクフードを食べ続けて太り過ぎると、碌(ろく)なことがない。見かけが立派だと、世辞を言う人もいるが、それだけだ。心臓に負担が掛かる他に、様々なガンを招き、「2型糖尿病 (type-2 diabetes)」の発症リスクが高まる。
糖尿病は、膵臓 (pancreas)が十分な「insulin (インシュリン)」を分泌できなくなるか、「体細胞 (body cells)」がインシュリンに反応できなくなって、血糖値のコントロール不能に陥った状態だ。
血糖値の高い糖尿病患者は、血中脂質 (blood fat)の 一種「triglycerides (トリグリセライド)」濃度も高いとされる。
さて、オメガ 3サプリには、糖尿病患者の「triglycerides」を下げる効果があるとも、また、逆に、血糖値のコントールに支障が出るとも言われて来た。
そこで、East Anglia大学の Dr Lee Hooperらの研究グループは、これまで医学雑誌「BMJ」に発表された研究論文80編以上を精査し、オメガ 3サプリと糖尿病との関係について調べた。
その結果は、「neither harm nor benefit (毒にも薬にもならない)。つまり、プラス効果もマイナスの効果も認められなかった。オメガ3脂肪酸をサプリから摂取しても、糖尿病患者には何の効果もない、お金の無駄という結論に至った。
もともと、サプリ (supplements)は、摩訶不思議な商品だ。薬局で売られているのに、どんな政治力が働いているのか、薬事法が適用されない健康補助食品とは......。
Dr Hooperらの結果に対して意地悪な味方をすれば、「毒にも薬にもならない」のは当然だ。健康補助食品が毒になったり、薬になっては、当局が困ることになるだろう。
糖尿病が気になって、予防のために、オメガ3脂肪酸の摂取を考えるなら、サプリよりも、1週間に 2皿程度の青魚 (oily fish)を食べた方が良(い)い。
また、糖尿病の予防には、何よりも「varied diet (多様な食生活)」が一番。フルーツ･野菜、全粒粉パン、ヨーグルト･チーズ、ナッツ類がお勧めだ。そして、ちょっと息が弾む程度の運動を、毎日忘れずに。
おわりに：一見,,きれいに見えるものには、棘(トゲ)があるもの。オメガ 3サプリは、サンマを焼くよりも、はるかに便利で、簡単に口に入る。しかし、それでは病気の予防にもならないし、健康はついて来ない。一方、会社の、あるいはデパートの階段を意識しながら上ると、結構な運動になる。試してみて欲しい。
(写真は添付のBBC Newsから引用）
