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タバコを止めたくても止められない!:どんな人が、どんな理由で? (BBC-Health, July 24, 2019)

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 学生時代、喫茶店に入っても、映画館に入っても、タバコの煙が、まるでスモッグのように充満していた。教壇の上でも、タバコ好きな先生が、「一服」と称して、講義の途中でタバコに火を付け、ぷかりとやった。
 しかし、そんな青春も時代も、またたく間に過ぎた。

 UKでも、今か45年前の1974年当時は、大人の2人に1人がタバコを吸っていた。その後、タバコの相次ぐ値上げ、公共の場における禁煙、タバコのパッケージ表示・メディア広告の規制対策などが取られる一方で、喫煙者に対するカウンセリング・医療介入を進めた結果、UKの喫煙率は15%に低下した。

 しかし、今なお、約700万人がタバコを吸い、そのタバコが原因で死亡する人は、年間80,000人。つまり、1日200人以上がタバコで命を落としている。
 卑近な喩(たと)えだが、毎日、旅客機が一機、墜落事故を起こして、人間の命を奪っているようなものだとか。

 映画で主人公がタバコを吸って気取っても、今では誰も格好良いとは、思わなくなった。それどころか、ガンを初めとする様々な病気に罹りやすくなり、メンタルヘルスに異常を起こし、早死にすることは、周知の事実だ。

 けれど、「笛吹けど、踊らず」。「King's College London」の Dr Leonie Broseによると、どんなに、政府が禁煙対策を講じても、タバコを止められない人がいる。
 それは、一体、どんな人たちなのか。

 結論から言って、タバコを止めようにも止められない人は、「貧困地域 (deprived area)」の住人や「肉体労働者 (manual workers)」に多い。さらに、メンタルヘルスに問題を抱えている人にも、喫煙率が高い。

 タバコを止められない人にも、それなりの複雑な理由がある。以下は、その代表例だ。

・タバコ依存症(ニコチン中毒)のレベルが高い。
・周りに喫煙者が多い地域、環境で暮らして、タバコを吸うことに何の抵抗感もなくなっている。
・不安定な収入、劣悪な住居、荒廃した地域で暮らす生活。それは、強いストレスに曝すことに。
・貧困地域が禁煙支援サービス対象地区から、外されている。

さらに、悪いことに

" The addiction is often passed from one generation to the next, meaning children who grow up around smokers are much more likely to take it up themselves. "

[ タバコ依存症は、親から子どもに引き継がれることが多い。子どもが、タバコを吸う大人に囲まれて育つと、タバコに引き引き込まれる確率が高くなるのだ。]

 そうでなくとも、やり繰りの苦しい家庭で、決して易くはないタバコを毎日吸い続けると、確実に貧困サイクルに飲み込まれてしまう。

 では、そこから抜け出る道はあるのか。
 やめられない理由・原因を一つずつ、消去する以外に、解決策はないはずだ。正常な生活、健康な体、うつ病・不安症とは無縁な自分を取り戻すためには、相当の努力・覚悟が必要だ。しかし、とんな人にでも、やってできないことではない。

                  (写真は添付のBBC Newsから引用)

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