オレンジジュース100%とコーラ。糖分 (sugar)の含有率は、ほぼ同じ。暑い夏は、水をガブガブ飲むよりも、栄養価の高いオレンジジュース100%を飲んだり、シュワッとした清涼感のあるコーラやレモンシュカッシュに手を伸ばしがちだ。
でも、ちょっと待って。ジュースであれ炭酸飲料水であれ、『糖分 5％以上の飲み物(sugary drinks) を、1日コップ1杯飲み続けると、ガンの発症リスクが高まる』。そんなフランスの研究結果が、医学雑誌「The British Medical Journal」に発表された。
「 Institut national de la santé et de la recherche médicale (フランス国立保健医学研究機構Inserm」の Dr Mathilde Touvierらの研究グループは、フランス在住の被験者101,257人 (女性79%)に対し、5年間にわたって健康追跡調査を実施し、世界で初めて、「糖分の摂り過ぎとガンの発症リスクとの関係」を明らかにした。
具体的には、1日100mlの「sugary drinks」を飲むと、ほとんどのガンの発症リスクが18% 増加する。ただし、乳ガンについては22％増。
なお、人工甘味料とガンとの間には、関連性が認められなかった。
ただし、Dr Touvierらの研究結果は、「sugar (糖分)に発ガン性がある」とするものではなく、「糖分がガンの発症リスクを高める」という点が大切だ。
考えられる、糖分とガンとの「因果関係 (causal link)」として、糖分を過剰摂取すると，肝臓・膵臓などの臓器の周りに蓄積した内臓脂肪 (visceral fat)、血糖値 (blood sugar level)、それに炎症マーカー (inflammation markers)に影響を与え、それがガンの誘発につながるのでは、と説明される。
まとめ：だんごにチョコ・ケーキ。甘いものが大好きな人や、朝食時にオレンジジュース100%を飲むことが習慣になっている人は要注意。糖分が、直接、ガンの原因となる発ガン性物質ではないにしろ、ガンの発症リスクを高めることが医学的に立証された。
ともかく、何であれ、甘いもの、甘い誘い、甘い言葉には十分な注意･警戒が必要だ。
謝辞：この一文をまとめるに当たって、以下の優れた「The Guardian」の記事も参照した。記して謝意を表したい。
The Guardian: July 11, 2019
・Sugar in fruit juice may raise risk of cancer, study finds
(写真は添付のBBC Newsから引用)
