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EUの「環境に優しい農業」のカギ:コウモリを増やせ! (BBC-Science & Environment, June 27, 2019)

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 EU (欧州連合)の予算の50%以上が、加盟国29ヶ国の「The Common Agricultural Policy (共通農業政策)」に拠出され、21世紀の「環境に優しい農業 (environmental-friendly farming)」を目指した「The agri-environmental schemes (農業・環境計画AESs)」が進められている。

 これまでの「intensive farming (集約農業)」を見直して、「有機農業 (organic farming)」を推進するとともに、農地周辺に休耕地を設けて「species-rich grassland (生物種が豊富な生態系緑地帯)」し、農業と環境の融和を図る農業政策が実施されてきた。

 しかし、Bristol大学の Dr Jeremy Froidevauxは、EUのAES計画には生態系のモニタリング調査が掛けていたため、その成果を立証するのが難しいという。
 むしろ、Scotland、Walesで実施された調査によると、野生生物 (wildlife)に優しいはずの農業政策が、肝心の野生生物、とくに夜行性野生生物 (nocturnal wildlife)のコウモリ(bats)には、何の恩恵 (benefit)をもたらしていなかったことが分かったという。

 Dr Froidevauxらの研究によると、コウモリがトウモロコシの害虫を食べてくれるため、地球全体に及ぼす経済効果は推定$1bn (約1,080億円)。

 ところが、そのコウモリの生息数が20世紀後半に掛けて南ヨーロッパ中で激減した。農家は、害虫対策をコウモリに任せたくとも、その数が急減していては、殺虫剤(pesticides)に頼らざるを得ない状態だ。

 Dr Froidevauxは、「環境に優しい農業」の成功のカギは、害虫を餌にするコーモリを増やすことにあるとし、そのためには、コウモリが生息する「farmland hedgerow (農地の生け垣)」を守り、その刈り込みを遅らせて、コウモリが住みよい生息環境をつくってああげることだと主張する。

                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com