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ワン君の意味ありげな目つき:人間との絆を求めて進化した! (BBC-News, June 18, 2019)

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 「目は口ほどに物を言い (The eyes are the window of the soul.)」とは、よく言ったものだ。ずる賢い悪人や、心根が曲がったり、嘘をつく人は、本心を見抜かれまいと、他人と目を合わせることを極端に嫌う。どんなに、世辞を並べても、空とぼけても、その心が目に現われてしまうからだ。

 しかし、どんな凶悪犯、人殺し、詐欺師・こそ泥であれ、生まれたときは「あどけない、つぶらな目 (infant-eyes)」をしていたはずだ。その目が、愛くるしさに溢れていては、誰でも子育ての「nurturing response (養育反応)」が掻き立てられ、幼い赤ちゃんを守ってやりたくなったに違いない。

 この「赤ちゃんの目 (infant-eyes)」を意図的につくって、人間との絆を深めている動物がいる。それはペット犬、狩猟犬、警察犬などの「イヌ属 (Canis)」だ。
 約20,000-40,000年前、オオカミにDNAの変化が起こり、人間と生活をともにするようになったイヌ属は、約7,000年前になると、地球上で人間の住む場所では、ほとんどどこにでも見られるほどに普及した。

 さて、Portsmouth大学の Dr Julian Kaminskiらの研究グループは、ワン君がときおり示す「excessive eyebrows (意味ありげな目つき)」を解剖学的に調べた。すると、この表情をつくり上げている目の周りの筋肉は、人間から「unconscious preference (無意識的な好感)」を引き出すために、数千年の歳月を掛けて進化させた成果であることが分かったという。

 いかに、「イヌ属 (Canis)」が人間との絆(きずな)を深めるために、何世代にもわたって努力を重ねたかが分かる。

 Dr Kaminskiらの研究には敬意を表するが、一つだけ同意し難い点がある。
 屈託のない、愛くるしい、飼い主を信頼仕切った、ワン君のその目つき。それは、単に、ごちそうをねだっている目では、ないだろう。誠実で、友情と義務感に溢れ、いざというときには、死さえ厭 (いと)わずに飼い主を必死で守ろうとする。そんな友達を「ホモ属 (Homo)」に探しても見つかことはあるまい。

               (写真は添付のBBC Newsから引用)

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