会社の経理・営業に携(たずさ)わる人は、誰でも「複利 (compound interest)」について知っている。利息が7%/年であれば、元本は10年後に約2倍にふくれ上がる計算のことだ。
このところ、イギリス人のネット利用時間は、年間7%の率で増加している。この状況が推移すると、10年後には2倍になるはずだ。
これは、「Ofcom (英国情報通信庁)」が「The Information Commissioner's Office (情報コミッショナーズ・オフィス)」と共同で、英国在住のイギリス人(12-15歳: 1,001人、16歳以上: 2,057人)を対象に実施した調査結果の一部。
その調査では、面談による聞取り方式でネット利用状況を尋ね、Ofcomはそのデータの集計結果を「Annual Online Nation Report」に発表した。
その報告書によると、「British internet users (ユーザー)」のネット利用時間は1日当たり平均3時間15分。1年間で、まるまる50日もネットを見ている計算になる。それも、前述のとおり、年7%増で伸び続けている。
インターネットは有益な情報源ではあるが、リスクもつきまとう。子ども(12-15歳)に対して、この1年の間にネット上で「危険な目に遭わなかったか」を尋ねたところ、79%が、少なくとも一度は怖い思いをしたと回答している。
また、子どもの51%が「ネットいじめ (online bullying)」にも遇っている。
何しろ、ネット上で「suicide (自殺」、「self-harm (自傷)」を勧めるが如く、イラスト解説するサイトなど、まさしく「harmful contents (有害コンテンツ)」の何物でもない。このせいで、2017年、Miss Molly Russell (14歳))が自分の命を絶っている。
UKでは、野放し状態の「有害サイト」に対し、何らかの規制を求める人の割合が70%に達し、Facebookや Instagramへの風当たりが強くなっている。
なお、子どもがネット上で見たとする「harmful contents (有害なコンテンツ)」の割合は以下のとおり。
・Facebook: 24%
・Instagram: 12%
・Snapchat: 8%
さらに、不特定多数の人に大量に送る「spam, emails (スパム・メイル)」は、「有害コンテンツ」の最悪な発信源。注意が必要だ。その中身の内訳は次のとおり。
・adults (アダルト):34%
・fake new (フェイク・ニュース):25%
・scams (詐欺):22%
謝辞:この一文をまとめるに当たり、以下の優れた「The Guardian」の記事も参照した。記して謝意を表したい。
The Guardian: May 30, 2919
・Britons increasingly fearful of internet risks, Ofcom research shows
(写真は添付のBBC Newsから引用)