ヒロシのWorld NEWS

世界のニュースを日本語でお届け!

AI (人工知能)ガン診断:スペシャリスト集団よりも遙かに正確・優秀 (BBC-Health, May 20, 2019)

f:id:hiroshinews:20190603060516p:plain

 「Artificial Intelligence (人工知能AI)」が、医者のガン診断能力を超えた。これは、この5月20日(月)に発行された医学雑誌「Nature Medicine」の話題だ。
 肺ガンは年間180万人以上の命を奪う恐ろしい病気。とくに、喫煙者に、その発症リスクが大きい。USでは昨年16万人が肺ガンで死亡している。

 このため、政府当局はガン検診を推奨している。しかし、医者の誤診が少なくないという。ガンでも何でもないのに、医者は己の診断結果に固執して、「biopsy (生体組織診断、バイオプシー)」と称し、患者の正常な肺組織を切り取る。あるいは外科手術さえすることもある。逆に、悪性の腫瘍を見落としてしまうこともある。

 そこで、Northwestern大学のDr Mozziyar Etemadi、Googleの Dr Daniel Tseらの研究グループは肺ガンの高性能AI診断システムを開発した。
 肺ガン患者約15,000人のCTスキャン画像42,290枚をコンピュータに読み込ませ、「何がガンで、何がガンでないのか」を教えた上で、その診断性能をスペシャリスト・チーム (放射線科医6人) の診断結果に比較した。

 すると、なんと、1枚のCTスキャン画像を使った診断では、AIが勝利。スペシャリスト集団に複数のCTスキャン画像を使わせて、ようやく五分五分の成績だった。
 AI診断では、人の目では分かり難い「subtle patterns (微妙な腫瘍パターン)」を判別し、肺ガンの診断 的中率は、従来に比べて5%増の94%を達成し、健康な人をガン患者と見まちがう「false-positive (偽陽性)」診断を11%も減少させることに成功した。

 医師不足どころか、これでは、誤診の多い、いい加減な医者は不用になる。医者は多忙を理由に、その診断・治療に手を抜いてはならない。

謝辞:この一文をまとめるに当たって、以下の優れた「The New York Times」の記事も参照した。記して謝意を表したい。

The New York Times: May 20, 2019
A.I. Took a Test to Derect Lung Cancer, It Got an A.

            (写真は添付のBC Newsから引用)

www.bbc.com