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想定は100 年に一度の災害:「600年に一度」級が発生しているのに! (BBC-News, May 21, 2019)

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 「100年に一度」の災害とは、めったに、あるいはほとんど起こらない事象 (events)として考えられ、災害が起きる確率はゼロでないにしても、極めて小さいことを強調するために使用されてきた。少なくとも、原子力発電の安全性については、専門家を自称する発電所側の技術者が、一般住民を説得する説明会などで多用して来た言葉だ。

 ところが、当の福島第1原子力発電所事故 (2016年)の他にも、阪神・淡路大震災 (1996年)をはじめ、専門家の予測をはるかに超えた豪雨、地震、台風、火山噴火が日本列島を襲い、その都度、沢山の幸せな家庭の生活・生命をことごとく、打ち砕いた。

 今や「50年に一度」は、災害ニュースで頻繁に耳にする。それでも、原子力発電やエネルギー開発業者あるいは政府関係者は、災害規模とその発生確率を何とか小さく見せようと、汗だく、血眼になって「抜け道」を探す。しかし、安全性に「100年に一度」を持ち出すことは時代遅れとなった。とにかく、「災害確率をできるだけ小さくして、安全性を少しでも大きく評価しようとする」根性・姿勢は、人の生命を軽 (かろん)ずるものだ。

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 現に、「600年に一度」規模の大洪水災害が、2015年、UKで起きた。「Storm Desmond (デスモンド暴風)」だ。24時間で 341mmの豪雨をもたらし、数千戸の住宅・事業所が浸水にあった。England北部の Cumbria (カンブリア州)では被害総額£1.3bn (約1,800億円)に達したとされる。

 「Storm Desmond」がどれほど激しいものであったか。Liverpool大学の Richard Chiverrellらの研究グループが、Cumbria湖水地方の「Basseenthwaite Lake (バセントウェイト湖)」の湖底に流れ着いて堆積した岩屑(がんせつ)を調べたところ、大洪水の流れによって大きな石ころが近くの丘や流域から流されていたことが分かったという。その大洪水の規模・エネルギーは「600年に一度」のレベルと判定された。(研究の詳細は「Earth Surface Processes and Landforms」に発表。)

 気候変動 (climate change)が、度重なる極度の「気象災害 (weather events)」を引き起こし、その大災害は、だれも「unprecedented (予測不可能)」になったのだ。

 2019年の春は、全国的に雨不足・猛暑の4月、5月となった。何しろ異常気象のこと。このまま晴天が続いて、何事 (自然災害)も起こらないと考えるのは、稚拙な予測だ。          

                                                               (写真は添付のBC Newsから引用)

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