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活性炭 歯みがき:歯が汚れて、傷つき、虫歯になる恐れ! (BBC-Health, May 10, 2019)

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 「anti-bacterial (抗菌性)」、「anti-fungal (抗真菌性)」があり、黄ばんだ歯を白くし、虫歯予防にも効果がある。これを毎日、毎日 TVコマーシャルで繰り返して流されると、誰でも買ってみようかと思ってしまう。なに、「活性炭歯磨き (charcoal toothpastes)」のことだ。

 でも、ちょっと待って。だまされてはいけない。その活性炭歯磨きの効能には、何の科学的根拠も存在しない (2017 US reviewで証明済み)。
 Manchester大学歯学部 Dr Joseph Greenwall-Cohenらの研究グループが、医学雑誌「The British Dental Journal」に発表した論文によると、歯を白くし、虫歯を防いでくれるどころか、研磨剤のような「活性炭歯磨き」は、歯を磨きすぎるとエナメル質を傷つける。そればかりか、活性炭の微粒子が歯肉 (gums)に入り込んで、炎症を起こす恐れもある。

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 さらに、悪いことに、コマーシャルに洗脳されて、その気にさせられ、歯を白くしようとせっせと磨いた消費者。なかなか歯が白くならないので、もっと、もっとと使い続けてしまう。それは、まさに歯磨きメーカーの思う壺 (つぼ)だ。
 一旦、この歯磨きにのめり込んだら、そこは泥沼。なかなか抜け出られないと言う。なんとも悪質ではないか。

 そもそも「charcoal (活性炭)」の粉末を歯磨きに取り入れたのは古代ギリシャ人。歯の汚れをとったり、歯周病の不快臭を隠すために使用したとされる。
 なお、現代人は次の2点に注意すること。

・Charcoal toothpastes don't whiten teeth. :活性炭歯磨きでは、歯が白くならない。
・Don't believe the hype. :誇大広告にだまされない。

 宣伝・広告には「marketing gimmick (マーケティング・トリック)」が少なくない。活性炭歯磨きが「歯を白くする」、あるいは「虫歯予防に効果がある」とするなら、その実証データが権威ある複数の学術雑誌で認められる必要がある。
 芸能人・セレブを採用したコマーシャル。それに、あの手この手で商品の効果をもっともらしく印象づけようとするメーカー。

 「効果が報告されています」、「某セレブも使っています」の口車に乗せられてはならない。面倒でも、根拠となる科学論文がどこにあるのか、と疑ってみることだ。


                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

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