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北海の海底油田が枯渇:今後は、油の漏出・海洋汚染対策が必要! (BBC-News, May 2, 2019)

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 これは、ムーミン谷のスナフキンの呟(つぶやき)のようだ。

" Nothing lasts forever."
[ 永遠に続くものなんて、ありはしないよ。]

 1975年とは、ずいぶんと大昔のこと。その年の2月、UKでは、あの「snobbish, übermütig (高慢ちき)」な「Magaret Thatcher」が首相になった。「サッチャー」が国の経済を立て直したと評価する人もいる。しかし、私にはそうは思えない。運が良かっただけだ。なにしろ、その年、UKは北海の海底から原油 (petroleum)を生産し、一挙に石油輸出国の仲間入りを果たしたからだ
 現在も、北海には原油を生産する海上設備「プラットフォーム (platforms)」が建ち並び、油井 (ゆせい)の数は約11, 000本。

 ところが,海底油田の開発から44年が過ぎて、油田が枯渇し、封鎖に追い込まれる生産井も、徐々に数を増してきた。今後、10年間で2,379本の油i井が、その生産を停止すると予想されている。
 油田・ガス田の生産井は寿命が尽きると、地下の原油が地表あるいは海底に湧出、漏出 (ろうしゅつ)しないようにパイプの入口をコンクリートで固めてしまう。もちろん、海上のプラットフォームを直ぐに撤去するわけにはいかない。
Brent Delta 
 どんなに、コンクリートでパイプに蓋をしたところで、汲み残した原油が海洋を絶対に汚染しないという保証はない。まして、金属の腐食・劣化の激しい海面下では、パイプに亀裂が入ったり、破損することも大いにありうることで、このとき、海底に残存する原油が、長期にわたって漏れ出す危険性が生じる。

 そこで、Scotlandの Heriot-Watt大学 David Bucknall教授らの研究グループは、海底の油井に原油漏れが発生した場合、これを「domestic smoke alarm (家庭用煙探知機)」のように、警報を発してくれるシステムを開発した。

 そのシステムの概要はこうだ。
原油が枯渇した生産井をコンクリートで封鎖する前に、パイプ内に特殊な液体を封入する。原油がパイプから漏れ出すときは、まず、この特殊な液体「SWIFT」が海面に浮上する仕掛けだ。すると、検知器が働いて、自動的に「ブイ」が放出される。ブイは地球上を周回する人工衛星に信号を送り、地上の監視施設では、この信号をキャッチして、直ちに、原油が漏れ出したパイプを突き止め、その修理に、技術者を派遣する。

 なお、パイプに充填する特殊な液体の成分は、もちろん「trade secret( 企業秘密)」。ただし、原油によく似た液体で、環境を汚すこともなく、耐用年数は100年とだけ、発表されている。

 北海の海底油田は、UKの経済に大変な貢献を果たした。それに、海洋を汚しに汚しもした。もう、静かに眠らせても良い時期だ。海洋汚染対策の費用を渋ることなど、あってはならない。
                  (写真は添付のBBC Newsから引用)

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