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紅茶・コーヒーに砂糖を入れる?:「こだわり」は変えられるか! (BBC-Health April 29, 2019)

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 夏目漱石は、「草枕」の中で「意地を通せば窮屈だ」と言った。しかし、何事に対しても理屈詰めに考えたり、合理性に凝り固まっては、窮屈この上ない。ときには、野原に寝そべって空を見上げてみるのもいい。ムダな時間を過ごすのも結構楽しいし、気持ちの安らぎとなる。

 ところが、朝、覚めてタバコを1本、あるいは、夕食前の晩酌が「いつもの癖 (ritual)」になっている人は考えものだ。長い年月の間に身についた、そんな習慣は、何の足しにもならないばかりか、体を壊すもと。
 タバコやお酒の「癖 (くせ)」ほど、体に悪くはないものの、何にでも砂糖を入れないと気が済まない人も要注意。とくに、紅茶・コーヒーにも砂糖をたっぷり入れて召し上がる人のことだ。

 個人の嗜好は、他人がとやかく口出すべきことではない。しかし、病気の予防の観点から言えば、リスク要因はできるだけ遠ざけた方が良い。嗜好結果の責任は個人がとれるはずはなく、病気の治療コストのほとんどは、国民が平等に負担しているからだ。

 そうは言っても、ずうっと紅茶・コーヒーには砂糖を入れて至福の1杯を楽しんできた人が、いきなり砂糖は体に悪いと言われて、これを止 (や)めることができるだろうか。

 University College Londonの Dr Andrea Smithらの研究グループは、男性64人 (平均年齢23歳)の被験者の協力を得て、砂糖との縁を切る方法について調べた。なお、実験では、被験者をランダムに以下の 3グループに分けた。

・A group: In one go  (一気に砂糖をあきらめる)
・B group: Gradually  (25%減/週のペースで徐々に止める)
・Control group: (対照グループ:これまでどおりに砂糖を入れる)

 さて、1ヶ月後に、砂糖なしで紅茶・コーヒーを飲んでも何の抵抗もなかった人の割合は、以下のとおり。

・A group: 36%
・B group: 42%
・C group: 6%

 この結果から、何とはなしに(あるいは習慣として)、紅茶・コーヒーに砂糖を入れて来た人が、ティータイムに砂糖との縁を切って、紅茶・コーヒー本来の味を楽しむ方法として、「gradually (徐々に)」に砂糖の量を減らす方法が、成功率も高く、お勧めということになる。
 研究者らは、この実験結果が市販の「squash (スカッシュ)」に含まれる糖分を減らすことにつながって欲しいと願っている。

謝辞:この一文をまとめるに当たって、以下の優れた「UCL News」も参照した。記して謝意を表したい。

・UCL News: April 29, 2019
[ Sugar not necessary for a good cup of tea ]

                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com