ベーコン、ホットドッグに、ハンバーガ:どれもWHO発ガン性食品! (BBC-Health April 17, 2019)
北米で、朝食と言えば、シリアルに牛乳を掛けた一皿に、リンゴとコーヒー。一般家庭の朝は、できるだけ調理器を使わない、簡素な食事が定番だ。
しかし、それだけでは、どうも、何か物足りない気がする。
ホテルの朝食バイキングでは、つい、目玉焼きにベーコン・ソーセージ、ハムエッグにコーンスープ、そして各種のチーズ・ヨーグルトに果物と、沢山のお皿をテーブルに並べてしまう。もちろん、食事の最後は、ジュース・牛乳に続いて、コーヒーで締めくくる。これで大満足。
なお、好物のチーズやサラミは、トロント、ロンドンでも十分楽しめたが、フランスでは、どこに行っても飛びっ切りの味で、パリのスーパーでも破格の値段で購入できた。
ところで、ベーコン、ソーセージ、サラミには注意が必要だ。どれも、栄養があって、食べて美味しいことは美味しいが、いずれも「processed meat (加工肉)」。かねてより、WHO(国際保健機関)は「赤肉・加工肉」を発がん性のある食品に指定していた。
なぜ、加工肉に発がん性があるのか。加工肉は、肉を長期保存できるように、燻製(smoking)や塩漬け (curing) にしたり、塩・保存料をたっぷり加えて加工処理したもの。処理工程で使用される「化学物質 (chemicals)」が発ガン性のリスクを高める。
また、バーベキューなどのように、肉を高温で直焼き調理しても、「carcinogenic chemicals(発ガン性物質)」が生成される。
さて、Oxford大学のTim Key教授らの研究グループは、「WHOの警告」の裏付けとなる新たな科学的証拠を、医学雑誌「Epidemiology (疫学)」に発表した。
Key教授らは、「The UK Biobank」に登録され、調査許可が得られた約50万人分のカルテを6年間にわたって分析し、この間に「bowel cancer (大腸ガン)」を発症した2,609人の注目して、赤肉・加工肉の摂取量と大腸ガンとの関連性を解析した。
その結果、次のことが明らかになった。
・赤肉あるいは加工肉を毎日21g食べると、大腸ガンは、1万人当たり40人の確率で発症する。
・赤肉・加工肉の食べる量が1日当たり76gに増えると、大腸ガンの発症率も20%増加し、48人/1万人となる。
・毎日、ベーコン薄切り1枚 (約25g)を食べる人と、3枚食べる人の大腸ガンの発症リスクを比較すると、その発症率には1.2倍の差がある。
また、ベーコンにお酒が付くと、大腸ガンの発症リスクはグーンと上昇し、逆に、「食物繊維 (dietary fibre)」には、「colorectal cancer (結腸ガン)」の発症を抑制する効果があった。
Cancer Research UKのMs Emma Shieldによると、大腸ガンと診断される患者はUKだけで年間41,804人。もし、加工肉 (ハム、ベーコン、ホットドックにハンバーグなど)を食べなかったとしたら、そのうちの5,400人が大腸ガンを発症しなかったと考えられるという。
そして結論は、こうだ。
" The more meat you eat, the higher your risk of getting cancer and obviously the reverse is true - the less your eat the less likely you are to get bowel cancer."
[ (加工)肉を沢山食べるほど、(大腸)ガンの発症リスクがそれだけ上がる。明らかに、その逆も真なり。(加工)肉を食べる量を少なくすれば、その分だけ、大腸ガンのリスクは低下する。]
謝辞:この一文をまとめるに当たって、以下の優れた「The Guardian」の記事も参照した。記して謝意を表したい。
The Guardian: April 17, 2019
・Even moderate intake of red meat raises cancer risk, study finds
(写真は添付のBBC Newsから引用)