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「こうするとよく眠れる!」:根拠のない俗説、あれこれ (BBC-Health, April 16, 2019)

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 たわいのない俗説 (myths)が、人から人へと伝えられ、いつの間にか、それがまかり通ることがある。「蜂に刺されたら、オシッコを引っ掛けろ」、「やけどには味噌を塗るのがいい」などと、まったく科学的に根拠のない、危険な措置も少なくない。

 「眠り (sleep)」についても同じ。夜行列車や旅先の宿で、ぐっすり熟睡できるからと、寝酒 (nightcaps)を飲み交わす光景は、ごく普通に見られた。それは、本当だろうか。

 New York大学の Dr Rebecca Robbinsらの研究チームは、巷(ちまた)に実(まこと)しやかに語られる、睡眠に関する俗説 (myths)を拾い集めて分析し、次の6項目にまとめた。その全てが、間違った思い込みだ。

Myth 1: You can cope on less than five hours sleep
[5時間寝なくたって、どうってことはない]
 サッチャー元英首相は4時間しか眠らなかった。ドイツのメルケル首相の睡眠時間も、ほぼ同じようなものだという。また、仕事人間の中には、寝る時間も惜しんで働く人もいる。
 しかし、Dr Robbinsによると、睡眠時間が5時間を切ると、体に支障が出ることは、多くの研究で明々白々。心臓発作・脳卒中などの「心循環器系疾患 (cardiovascular disease)」を引き起こし、大切な人生を短くするだけだ。そんなことに片意地を張るよりも、体にとっては 7 - 8時間の睡眠をとることが、どんなにうれいしいことか。

Myth 2: Alcohol before bed boost your sleep
[寝酒で、ぐっすり眠れる]
 「寝酒は、夜、ぐっすり眠れる睡眠薬だ」などと、誰が言い始めたのだろう。それは、まったくのでたらめ。確かに、お酒を飲むと、眠りに入りやすい。どころが、記憶・学習に重要とされるレム睡眠が、まともにとれなくなる。
 また、アルコール類の「diuretic (利尿作用)」も問題。夜半に、何度もトイレに通うことになる。

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Myth 3: Watching TV in bed helps your relax
[就寝前にTVを見ると、リラックスする]
 ホテルで一夜を過ごすわけではあるまいし、ベッドに入ってまで、あるいは就寝前にTVなど必要なものか。UKでは、夜に、その日のニュースを確認する人も多いという。
 しかし、就寝前に気持ちをリラックスさせようと思って、TVを観ると、それは「不眠症 (insomnia)」を助長し,「ストレス (stress)」を溜めるだけだ。
 さらに、TVに限らず、スマホタブレット、パソコン画面の「blue light」は、睡眠ホルモン「melatonin (メラトニン)」の分泌を妨げる。

Myth 4: If you're struggling to sleep, stay in bed
[ベッドで眠れなくても、そのまま横になっていた方がいい]
 なかなか眠れないときは、「ヒツジが1匹、ヒツジが2匹、・・・・・」と数えていると、そのうち眠る、と言われる。ところが、ヒツジの数を数えても数えても、眠気がやってこないこともある。
 一般に、健康な人は、ベッドに入って、およそ15分で眠りにつく。しかし、30分、1時間経っても、目が冴えて眠れない。これが不眠症だ。
 こんなときは、思い切って、ベッドから起きだし、気持ち・雰囲気を変えるのも一案。「Do something that's mindless. (何か、頭を使わなくてもいいことをやってみる)」。そう、洗濯物を畳んだり、編み棒を握ったり、絵本を読んでみる。

Myth 5: Hitting the snooze button
[目覚まし時計は、止めてしまえ]
 眠いときに、目覚ましが「リンリン、ジーン、ジーン」鳴くのは、本当にしゃくだ。「もう、ちょっと。そうだ、もう5,6分眠ったところで、大して違わない」。その誘惑 (temptation)に負けて再度眠ってしまい、起きてから慌てることも少なくない。
 目覚ましが鳴ったら、直ぐにベッドから起きだして、カーテンを開け,朝日を浴びること。その理由は,再び眠ったところで、その眠りは「light and low quality (質が悪い)」。

Myth 6: Snoring is always harmless
[イビキをかいても、体に悪くない]
 確かにイビキをかいたからと言って、それが体に悪いわけではない。しかし、イビキは、一時的に呼吸を止まるため、「disorder sleep apnoea (睡眠時無呼吸症候群)」のサインでもある。
 そもそも、イビキ (snoring)は,睡眠中に喉の周りの筋肉が緩んで,気道 (airway)が狭くなって起こるもの。イビキをかく人は、高血圧、不整脈、心臓発作、脳卒中のリスクが高くなりがちだ。さらに、イビキはイビキでも、「loud snoring (大イビキ)」となったら、危険信号。突然死などのリスクもある。専門医の診察が必要だ。

 なお、Dr Robbinsらの研究の詳細は、医学雑誌「Sleep Health」に発表された。

                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com