ヒロシのWorld NEWS

世界のニュースを日本語でお届け!

「ネット・電話」診療:病院の治療で直らない過敏性腸症候群IBS! (BBC-Health, April 11, 2019)

f:id:hiroshinews:20190425052811p:plain

 とくに病気でもないのに、お腹(なか)の調子が今一つ。病院で診察、治療を受けても、症状は、なかなか改善しない。こんなとき、「irritable bowel syndrome (過敏性腸症候群 IBS)」の疑いがある。
 IBSの代表的な症状は次のとおり。

・stomach pain or cramps:胃痛または胃けいれん
・bloating:腹部膨張感
・diarrihoea:下痢
・constipation:便秘

 UKでは、人口の約10-20% (およそ1,000万人)が、このIBSで苦しんでいると考えられている。残念ながら、有効な治療法は見つかっていない。一般に、食事療法や薬で症状を和らげる措置がとられるが、病院で薬が処方されて、1年以内に健康が回復しないときは、その後、完治が難しいとされる。
 治療に当たっては、「cognitive behavioural therapy (認知行動療法 CBT)」が欠かせないとも言われる。しかし、現在の医療現場で、数百万人のIBS患者に対して、時間の掛かる CBTを懇切丁寧に実施することなど不可能。

 そこで、Southampton大学の Dr Hazel Everittらの研究グループは、慢性の「irritable bowel syndrome (過敏性腸症候群IBS)」患者558名の協力を得て、「ネット・電話を使った診療 (Therapy over phone or online)」の臨床試験を1年間にわたって実施し、その効果を調べた。
 電話・ネット上で、セラピストが

・お腹(なか)の調子を聴いて
・食事、運動のアドバイスをし
・ストレス、睡眠、感情コントロール

まで、たっぷり時間を掛けて相談に乗り、指導してくれる。

 その結果、これまでの治療法、すなわち、「anti-spasm medications (胃けいれん止め薬)」を処方し、[おざなり(?)] の「lifestyle advice (生活スタイル・アドバイス)」を付け加えるやり方に比べて、はるかに優れた症状の改善が認められた。
Dr Everrittによると、これまで、たとえば、病院で、「1日トイレに何回言ったか」などと聞くことは、「unhelpful adaptations (何の役にも立たないもの)」だったという。(Dr Everrittらの研究結果の詳細は、医学雑誌「Gut」に発表された。)

 フリーのジャーナリストMs Laura Day (31歳)も、このネット診療の臨床試験に参加した被験者の一人。子どもの頃から胃腸が弱く、病院で長年治療を続けて来たが、症状は少しも改善しなかった。それが、ネット診療を受けて、IBSの症状も、IBSに対する考え方も変わった。経験したことのないほどに体調が改善した上、くよくよと、体らの不調を心配しなくなったという。
 
 なお、この一文をまとめるに当たって、以下の優れた「The Guardian」の記事も参照した。記して謝意を表したい。

・The Guardian: April 11, 2019
"Therapy over phone or online could help people with IBS - study"

まとめ:医療関係者の言い分はこうだ。「医療現場が多忙を極め、患者の診断・治療に十分な時間がとれない」と。ならば、医療システムの見直しが必要だ。医療にムダなことをやっていないか、改善点はないか、などなど。反省する事項は決して少なくない。医者の権威・既得権だけを振りかざしていては、医療に進歩があるはずがない。なお、先日、某国で明らかになった、専門知識・医療技術もないのに、子宮手術をする医者など、卑劣きわまりなく、まったく論外だ。

                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com