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ガンの自己診断キット:格安、簡単、安心! (BBC-News, April 3, 2019)

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 「どうしようもないもの」、「如何ともし難いもの」は、世の中に幾らでもあるが、中でもとりわけ「どうしようもないもの」は、膨らみ続ける「医療費」とその医療に携わる人、これを受ける側の「意識改革」だ。

 どんな病気であれ、医療の基本は「precaution (予防)」であり、病気の「早期発見・早期治療 (early detection & rapid cure)」に他ならない。人々の健康が維持、保証されない限り、どんな人であっても、落ち着いて安らかな暮らしは望めないし、社会のシステムも円滑に回ることはない。
 また、教育や医療の分野で、「利潤」を優先、追求すると、世の中は腐敗する。

 さて、人類に執拗に襲いかかる病(やまい)と言えば「cancers (ガン)」。それも、数あるガンの中で悪の筆頭に挙げられるのが「bowel cancer (大腸ガン)」。UKでは年間16,000人以上 (日本:27,330人)の命を奪っている。

 しかし、ガンは早期に発見されるなら、つらい「chemotherapy (化学療法)」も大がかりな「外科手術」も受けずに済むのに、日本では、予防・早期発見の啓蒙が十分に進んでいない。この結果、どこの病院も老若男女の患者に溢れ、医療関係者はその診察・治療に重労働を強いられ、国民は過大な医療財政負担に苦しむはめに陥っている。
 
 UKでは、「The National Screening Programme (全国(ガン)スクリーニング・プログラム)」の一環として、60歳以上の国民に「Faecal Immunochemical Tests (免疫化学的便潜血検査FIT)」用の「self-testing kits (自己診断キット)」を配布している。
 このキットの一人当たりNHS (国民保険サービス)経費は、わずか£15 (約2,200)。これに対して、精密検査と称して、患者に苦しい思いを強いる「colonoscopy (結腸内視鏡検査)」のコストは£400 (約58,000円)。

 Nottinghamshire (ノッチンガム州)の Eastwood (イーストウッド)に住む Ms Wendy Lyonsも、この「self-testing kits」のお陰で命を救われた一人。Mis Lyonsは閉経後の更年期障害 (頭痛、腰・肩・関節の痛みなど)に苦しみ、病院で診察を受けた。その際、掛かりつけのGPは予防のためと言って、その大腸ガンの自己診断キットを渡した。
 Ms Lyonsは、指示されたとおりに、便サンプルを郵便で検査機関に送ると、後に「positive (陽性)」の回答があった。
 直ぐに、小さなガン腫瘍の摘出手術を受けたので、術後の回復も早かったという。

 UKは EU離脱問題でドタバタ劇を繰り返しているが、民主主義と医療の最先進国であることに変わりはない。見習うべきところは、謙虚に見習うべきだ。


                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

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