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麻疹 (はしか):その強烈な感染力、USの Rocklandで非常事態宣言 (BBC-Health, April 5, 2019)

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 文明国 USは、2000年に「measles (はしか)」を完全に排除したと宣言した。ところがそれから、20年も経たない、この3月に、突如として」、そのウイルスが暴れ出した。
 New York Cityの北およそ40milesに、人口約33万人の「Rockland County」がある。この地で「measles (はしか)」感染者が続出し、3月26日(火)、ついに「非常事態宣言」が出された。『ワクチン接種をしていない18歳以下の子どもは、公共の場に出入ることを禁ずる。』
 4月 5日の段階で,ウイルス感染者は167名と異常。感染者のほとんどは、「ワクチン摂取をしていない子ども」とされる。
(その後、4月 9日(火)、New York Cityの「Brooklyn (ブルックリン区)」で、「Public Health Emergency(公衆衛生非常事態)」が宣言された。)

 麻疹ウイルスの感染力は極めて強い。マスク、手洗いなどで予防はできない。接触感染の他に、空気感染・飛沫感染でも、ウイルスは取り憑く。

 USに限らず、このところ「measles (はしか)」は世界中で「outbreak (大流行)」の兆しを見せ始め、Mexico, France, Madagascarで感染者が続出した。なかでも、Ukraineは政情不安定も災いし、2018年の感染者が 53,218人と記録的な結果となった。

 「はしか」には、数年おきに大流行する傾向がある。その原因は、複雑だ。「集団免疫 (herd immunity)」から取り残された地区や、宗教的理由などで「ワクチン接種に反対するグループ (anti-vaxxers)」、あるいは内戦・経済的破綻によって、予防接種システムの崩壊した国々にウイルスが潜伏し、感染拡大のチャンスを伺う。

 子どもが「measles (はしか)」に感染すると、体中に「rash (発疹)」が現われ、以下の症状が 7-10日続く。

・fever:発熱
・feeling unwell:体調不良
・cough:咳

しかし、怖いのは、次のような「合併症 (comprications)」だ。

・ear infection:中耳炎
・seizure:発作
・diarrhhoea:下痢
・pneumonia:肺炎
・brain infection:脳炎
・meningitis:髄膜炎

 なお、大人が、「measles (はしか)」に感染すると、症状は重く、「immunity problems (免疫障害)」を起こすこともある。

 2004年UKでは、「measles (はしか)」,「mumps (おたふく風邪)」,「rubella (風疹)」の3種混合MMRワクチンが疑問視され、England、Walesのそれぞれで80%、75%もワクチン接種率が減少した。それから、15年経って、UKの2歳児のワクチン接種率はようやく90%以上に達した。
 そして当時、3種混合MMRワクチンの接種を受けなかった子どもが成長して若ものになった。今、その若もの達の間で、はしか感染者が増えているという。

 さらに、この世代の若ものに心配されるのは「rubella (風疹)」の大流行。女性が妊娠初期に、風疹に感染すると、お腹の中の赤ちゃんは誕生後に

vision problem:視覚障害
・hearing problem:聴覚障害
・heart problem:心臓障害
・learning problem:学習障害

などを発症するリスクが高くなる。

 現在のところ、「measles (はしか)」感染の対策には、「immunization (予防接種)」が一番とされる。麻疹ウイルスを撲滅するには、ワクチン接種対象者の95%に接種しないと
後々のウイルスの大流行を免れない。ワクチン接種に反対するコミュニティ、宗教団体には、十分に声明する必要がある。

 今日ほど、誰もが、自由に、どこにでも行ける時代はなかった。しかし、反面、それだけ、ウイルスに感染し、これを世界中に拡散するリスクも高くなったとも言える。地球の、ほんの一部の地域に棲み隠れていた「measles (はしか)」、「rubella (風疹)」などのウイルスは、飛行機に乗って瞬時に世界中にばらまかれるようになった。

                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com