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コレステロール治療:スタチンの副作用に苦しむ人に朗報! (BBC-Health, Mar 14, 2019)

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 人間に取り憑く病気の原因の、東の横綱が「高血圧」だとすれば、西の横綱は悪玉コレステロールLDL (Low-Density Lypoprotein)だ。LDL値が高すぎると、血管 (blood vessels)内壁にスケールが積み重なって血流を詰まらせてしまう。その結果、心臓・脳に酸素が十分に行き届かなくなり,「heart attacks (心臓発作)」や「strokes (脳卒中)」の発症リスクが高まる。
 血液中のLDL値が上がる主な要因は次のとおり。

飽和脂肪酸(肉の脂身、バター、チョコレート・ケーキに多い)
・不健全な食生活
・運動不足
・遺伝子

 これまで、高めの悪玉コレステロールの治療には、主に「statin (スタチン)」が処方されて来た。しかし、この治療薬は筋肉にも働くため、次のような副作用がある。

・筋肉の痛み
・脱力感
・手足のしびれ
・脱毛

 患者によっては、副作用が強すぎて、スタチンを使用できないこともあった。
 そこで、「Imperial College London」の Kausik Ray教授らの研究グループは、被験者2,200人以上の協力を得て、新薬「Bempedoic acid (ベンペド酸)」の臨床実験を実施し、この新薬を1年間、毎日服用すると、患者の LDL値が17%も下がることを確認した。(研究結果の詳細は、医学雑誌「The New England Journal of Medicine」に発表。)

 新薬の副作用の発生率は、「statin」と同程度。ただし、「gout (痛風)」の出現率が高い傾向にあった。

 「Bempedoic acid (ベンペド酸)」は、酵素「ATP-citrate lyase」の働きを阻害し、体に悪玉コレステロール LDLをつくらせないように作用する。
 LDL値が高いが、治療「statin」の薬副作用が強くて、これを使用できない人にとっては、待ちに待った治療薬。関係者は一刻でも早く、新薬の販売認可が下りることを期待している。

謝辞:この一文をまとめるに当たって、以下の優れた「News: Imperial College London」も参照した。記して謝意を表したい。

News: Imperical College London, March 13, 2019
・New cholesterol-lowering drug could help patients unable to take statins

                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com