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糖尿病の「切り札」は減量:ただし、人によりけり! (BBC-Health, Mar 6, 2019)

picture of Joe who took part in the trial.

 好き嫌いを先に言って、大人げないが、「三年寝太郎」は大嫌い。母親を騙し、長者とその娘をだまし、鎮守の神様をもだまして巨万の富を自分のものにするなどとは、神も仏もないとんでもない昔話だ。誰もこれをまねるようなことがあっては、ならない。
 しかし、それはあくまで、たわいのない、作り話の上のことだ。現実は、仕事をしないで、体を動かさず、ダラダラして太り過ぎると、体力も気力も劣化し、十中八九、糖尿病の落とし穴にはまり込む。

 「2型糖尿病 (type-2 diabetes)」は、膵臓から分泌されるインスリンが不足し、「血糖値(blood glucose levels)」の上昇をコントロールできなくなる病気。
 一般に、血糖値が200mg/dLになると、糖尿病と診断される。「体がだるい」、「疲れやすい」、「のどが乾く」などの症状を伴うが、この病気の治療を怠ると、次のような「合併症 (complications)」の発症リスクが高くなる。

・visual problems:視力障害
・heart failure:心不全
・kidney failure:腎不全
・stroke:脳卒中
・amputations:足の切断

 「The American Diabetes Association (米国糖尿病学会)」によると、USの糖尿病患者は3,000万人以上、世界全体では4億2,200万人以上と推定される。UKでは成人の2/3が太り過ぎで、16人のうち1人が糖尿病に罹患している。
 なお、USだけでも、この病気の治療費は、$245billion (約27兆2千億円)を超える。

 多くの場合、糖尿病は「inevitably progressive disease (進行が避けられない病気)」。このため、患者は、一生、薬を手放せない闘病生活を余儀なくされる。

 薬を飲まずに、元の健康な体に戻れない方法はないものか。
 Newcastle大学のRoy Taylor教授らの研究グループは、プロジェクト「Direct」の一環として、ScotlandとTyneside (タインサイド)に住み、2型糖尿病に苦しむ約3,000人を対象にした臨床試験を実施した。被験者のBMI値は27-45であった。
 臨床試験に当たっては、被験者を「standard care (標準的な治療)」のAグループと、カロリー摂取制限治療(low-calorie diet)のBグループに分けて、両グループの治療効果を比較した。

 Bグループの患者のカロリー摂取量は1日850カロリーに制限。毎日の食事は、「shakes and drinks (ミルク・セーキとドリンク類)」だけ。もちろん、A,Bどちらのグループにも、専門医と看護士の指導・経過観察が入る。

 すると、1年後、Bグループ(149名)のうち69名(46%)に、糖尿病の緩和症状「remission (覚解)」が認められた。これに対してAグループに覚解が確認できた患者はわずか4%であった。
 さらに食事療法開始から2年後、Bグループの患者の36%が、血糖値140mg/dL以下に下がり、治療薬の必要性がなくなるまで回復した。
 なお、減量10kg以上に成功した患者の64%は、2年後に糖尿病から解放されたという。(研究結果の詳細は、医学雑誌「The Lancet Diabetes and Endocrinology」に発表された。)

 この結果から、2型糖尿病の治療には、減量(weight loss)が極めて効果的であると言える。ただし、15kg以上も体重を減らしたのに、病気が回復しなかった患者(17%)について、King's College LondonのDr Nicola Guessは、この原因をさらに探求する必要があるとし、2年間の食事療法で症状が改善しなかった患者は、恐らく、臨床試験のずっと前から糖尿病を悪化させていた、あるいは食生活に問題があったか、それとも遺伝的な要素が働いた影響ではないかと見ている。

 残念ながら、摂取カロリーを制限した食事療法は、誰にも有効とはいかないようだ。また、食事療法は、「専門医の指導に従う (under medical supervision)」ことが必須の条件。

謝辞:なお、この一文をまとめるに当たって、以下の優れた「The Guardian」の記事を参照した。記して謝意を表したい。

The Guardian: March 5, 2019
・Weight loss can reverse type 2 diabetes, study suggests

                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com