アメリカ人は、ハンバーガーにトマトケチャップ (ketchup)をたっぷりと塗りたくって、がぶり。これがたまらないと豪語する人も少なくない。しかし、日本人は、何もそこまで、米国式にこだわることもないのではと思う。
その「ketchup」の語源は、中国広東語「ketsiap」が有力。マレー語で「kechap」と呼び、「魚醤(ぎょしょう)」の意味だった。これが英語に取り込まれ、活字として初出したのが1711年。それほど古い言葉ではない。
しかし、アメリカの食品会社が大々的にトマトケチャップを製造し、これを世界中に販売したお陰で、「ketchup 」と言えば「tomato ketchup」を指すようになった。
さて、ケチャップの大手メーカーで、世界5位の食品販売会社「Kraft Heinz」の株価が27%も暴落した。この会社は、2015年に「Kraft Food」と「HJ Heinz」が合併(merger)してできた会社だった。現在、「Berkshire」と「The 3G Capital」の2社で株式の77%を保有し、実質的に、その経営を支配下に納める。「The 3G Capital」は「costt-cutting approach(コスト削減策)」を経営に取り入れた「investment firm(投資会社)」だ。
それなのに、2018年の「Kraft Heinz」の決算では$10.2bn (約1兆円)の赤字を出した。この業績悪化は、USで販売促進をねらった商品の値下げが裏目に出た形だ。
ただし、以下のように、消費動向が変化する中で、どのメーカーも厳しい競争に曝されていることは事実。
・less expensive:低価格商品
・retailer brands:自主企画商品
・growing consumer preference for non-processed food:消費者の加工食品離れ
「Kraft Heinz」は、業績回復を目指して、「ketchup」などから人気の高い「Philadelphia creamed cheese」の販売に軸足を移し、さらに、この春には自社商品の値上げも計画している。
会社の純利益が目減りしたとの理由で、値上げに踏み切る。この経営策が「吉」と出るか、「凶」と出るか、米国式経営戦略のお手並み拝見。大いに興味のあるところだ。
(写真は添付のBBC Newsから引用)