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イギリス人の魚嫌いと日照不足:くる病に骨粗しょう症のリスク増! (BBC-Health, Feb 26, 2019)

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 ビタミン Dは、カルシウムの吸収を高めて、骨を丈夫にする大切な栄養素。これが不足すると、子どもは「くる病 (rickets)」を発症し、「bone growth (骨の成長)」がままならず「deformities (骨格異常)」、「poor growth (発育不全)」、「muscle weakness (筋力低下)」を招く恐れがある。また、大人は骨密度が低下し、「osteoporosis (骨粗しょう症)」の発症スクが高まる。

 普通に日光に当たっていると、皮膚で生合成されて、必要なビタミンDの摂取量は満たされるが、食品 (主に魚)からも補充されている。とくに、ビタミンDの含有量が多い食品は次のとおり。

・魚類:しらす干し、いわしの丸干し、身欠きニシン
・キノコ類:干しシイタケ、乾燥キクラゲ

 しかし、魚が嫌いな人や、日光によく当たらない人、あるいは日照不足の地域に住んでいる人などは、ビタミン Dが不足がちになる。

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 UK (イギリス)では、秋から冬の間、日照不足となり、加えて、大人も子どもも魚を食べる機会が少ないため、ビタミン D摂取不足が深刻になる。
 2016年、「Public Health England (イングランド公衆衛生局PHE)」は、ビタミン Dの摂取量を400IU/day (10µg/day)とし、国民にサプリメントの使用を勧めた。

 ところが Oxford大学と Southampton大学が共同で市場に出回っている「multivitamins (総合ビタミン剤)」64製品について調査したところ、PHEの基準値400IUを満たすサプリは、全体の25 - 36%に留まった。なかには、総合ビタミン剤と謳っていても、ビタミンDが全く含まれていないものもあった。

 サプリの業界団体「The Health and Food Supplement Information Service (健康・栄養補助食品情報サービス HSIS)」のDr Carrie Ruxtonは、次のように弁明する。

"Food supplements are meant to supplement the diet, not replace the nutrients obtined from foods."
[ 栄養補助食品(サプリ)は、あくまで食生活を補強するもの。食品に含まれる栄養素の代用品ではない。]

 したがって、サプリに頼り過ぎるとリスが避けられない。ビタミン Dは日光から、あるいは、しらす干しや干し椎茸などの食品から摂取するのが一番だ。それでも、サプリが必要な人は、年齢や健康状態に応じて、適切なサプリを選択し、ビタミン Dを補強するしかない。
 研究者はサプリ製品のラベルに記載された内容をよく読むようにと勧める。

 なお、研究結果の詳細は、医学雑誌「The Archives of Disease in Childhood 」に発表された。

                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com