海は青い。それは、海水が可視光線中の赤色の光を吸収し、青色を反射するためだ。ところが、その海に、小さな魚のエサとなる「phytoplankton (植物性プランクトン)」が大量に発生すると、海の色は、青から「緑っぽい色 (greenish)」に変わる。これは、植物性プランクトンが赤色の他に青色の光まで吸収し、緑色とオレンジ色を反射するからだ。
ハワイ、グアム、沖縄など比較的暖かい地域の海の色は、鮮やかな青。しかし、海の生態系にとっては、まっ青な海は、栄養の乏しい海とも言える。
ところで、「Massachusetts Institute of Technology (マサチューセッツ工科大学MIT)」のDr Stephanie Dutkiewiczらの研究グループが、人工衛星の光センサーを使って世界中の海を探査したところ、海洋全体の約 50%の海域で植物性プランクトンが減少していることを発見した。とくに、North Atlantic (北大西洋)とSouth Ocean (南大洋)など、極圏や赤道付近の海域で、この傾向が強かった。(研究内容の詳細は「Nature Communications 」に発表。)
このことは何を意味するのか。
世界中の海から植物性プランクトンが徐々に姿を消して、海は青みを増している。Dr Dutkiewiczによると、21世紀の末までに、地球上の海の 50%以上がもっと鮮やかな青色に変わる。つまり、太陽系第3惑星の地球は、もっともっと青くなると言う。
研究者は、この海で起きた色の変化の原因を、地球温暖化にあると見る。温暖化によって海流の流れが変わり、植物性プランクトンの生息環境が大打撃を受けているのだ。
ヒト属 (Homo)は、産業革命以降、性懲りもなく、せっせとCO2を排出し、「development (開発)」と称しては身勝手に自然を破壊し、地球を痛め続けて来た。脆弱な多くの生物を絶滅に追いやり、陸と海と空の生態系を変えた。そして、海の色まで変えた。
この上、何を壊し、何を変えようというのだろう。
(写真は添付のBBC Newsから引用)