人は、なぜ、「うつ(depression)」になってしまうのか。うつ病は6人に1人が発症する精神疾患で、人の体を「disability (不自由)」にしてしまう、最大の原因とされる。
うつ病の主な症状は以下のとおり。
・low mood:意気消沈
・lethargy:倦怠感
・lose of pleasure:興味・喜びの喪失
・no appetite:食欲不振
・diminished libido:性欲減退
・tail-chasing thoughts:頭の中で堂々巡り
・insomnia:不眠
また、その発症の「triggers (切っ掛け)」は
・trauma:トラウマ
・bereavement:親しい人との死別
・stress:ストレス
・lifestyle:生活スタイル (アルコール依存症など)
にあるとされて来た。しかし、うつ病は、特定の家系に集中することでも知られ、発症原因の1/3は、遺伝子にあるのでは、との疑いが持たれていた。
人によっては、一生の間に2ヶ月ほど鬱(うつ)になるだけで、その後、回復することもあれば、深刻かつ慢性的なうつ病になって、精神科入院を余儀なくされ、最悪、自殺に追い込まれることもある。怖い病気だ。
Edinburgh大学の Andrew Mcintosh教授らの研究グループは、世界20ヶ国にまたがるうつ病患者200万人以上のカルテとDNAを分析し、うつ病患者のDNAには、100を超える「genetic variations (遺伝子変異)」が存在することを発見した。
これらの遺伝子変異は、「前頭葉前皮質 (prefrontal cortex)」内の神経細胞の接合部に当たる「presynaptic terminals (シナプス前終末)」に大きな影響を与えていた。この脳の部位は、「decision-making (意思決定)」、「personality (人格)」を支配する大切な場所。
生まれながらにして、うつ病の「病因 (pathogenesis)」となる遺伝子変異の他に、タバコ依存症に関与する遺伝子変異も発見された。肥満・ガンの他に、タバコ依存症やうつ病まで遺伝子が決定していたのだ。研究者は、この発見によって、うつ病の治療が、さらに改善されることを期待している。
(写真は添付のBBC Newsから引用)