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「痩せっぽ」「太っちょ」は遺伝子が決める:どうしようもないって? (BBC-Health, January 25, 2019)

https://ichef.bbci.co.uk/news/976/cpsprodpb/6785/production/_105310562_gettyimages-492321666.jpg

 なんとなく、分かってはいた。いくら食べても太らない人もいれば、少し甘いものを食べると体重が増えて、仕方がない人もいることは。

 Cambridge大学の Sadaf Farooqi教授らの研究チームは、生まれながらにして太り難い、「痩せっぽ」体質の人がいることを、遺伝子学的に証明した。(研究内容の詳細は、医学雑誌「PLOS Genetics」に発表。)
 まず、Farooqi教授らは、次の 3つのグループの DNAサンプルを調べた。

・low weigh or thin (低体重), BMI<18:1,600人
・normal weight (普通体重), 18≦BMI<25:10,400人
・severely obese (重症肥満), BMI≧40:2,000人

また、DNA解析とは別に、被験者全員に対して生活スタイルに関するアンケート調査を実施し、「eating disorder (摂食障害)」の人のデータは、考慮の対象から外した。

 すると、肥満グループの人は、痩せっぽグループの人に比べて、肥満に関連した遺伝子を多く保有し、低体重で痩せっぽの人は、痩せっぽ特有の「gene regions (遺伝子領域)」を有していることが明からになった。
 したがって、研究グループの次の目標は、その遺伝子領域から、痩せっぽ遺伝子を、ピンポイントで正確に特定すること。

 Farooqi教授らの研究結果によると、肥満の遺伝子を親から受け継いだ子どもは、「早発性重症肥満 (precocious severe obesity)」になり易く、逆に、生まれつき痩せっぽ遺伝子を持っている人は、肥満になり難いことを示す。
 
 しかし、もちろん、これだけで、人の「痩せっぽ」、「太っちょ」が決まるわけではないという。大人になって仕事をするようになると「sedentary lifestyle (座りがちな生活スタイル)」を送るようになったり、カロリーの高い食品を好んで食べる。このような「肥満の原因をつくり出す環境 (obesogenic environment)」も見逃せないのだ。

 London大学「King's College London」の Tim Spector教授によると、人が肥満になるか、ならないかは、遺伝子によるところもあるが、生活スタイル、腸内細菌叢 (gut microbes)も、肥満に大きく関与しているという。
 「適度に運動」と「適切な食生活」を心がけよ。この古くからのアドバイスは決して色あせることはない。
                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com