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「asthma (アズマ)」って吾妻?:今、ヤングアダルトが危険! (BBC-Health, January 23, 2019)

https://ichef.bbci.co.uk/news/872/cpsprodpb/35E8/production/_105300831_amypay-cardiff2019.jpg

 「吾妻(アズマ)」とは、京の都から東の方角あるいは東国(鎌倉、江戸)を指した。
 ところが、不思議なことに、これと発音がほどんど同じ英語がある。「asthma (喘息)」だ。この語は、ギリシャ語「azein」[breathe hard (息苦しい)の意]から派生した「asthma」に由来する。
 とにかく、その「asthma attacks (喘息の発作)」に襲われると、苦しくて、まともに息がつけなくなる。また、心臓にも大きな負担が掛かる。

 イギリスでは成人(18歳以上)人口の12人に1人(推定440万人)が、「asthmatics (喘息患者)」。
 そこで、「The Asthma UK」が、18 - 29歳の喘息患者を対象に、アンケート調査を実施した。すると、ヤングアダルトと呼ばれる十代後半の若ものが、喘息の怖さを知らずに、この病状を軽視して基本的な治療を受けていないこと、このため、この世代の若もの健康状態は、危険な水準に置かれたままであることが分かったという。
 なんと、同じ「asthmatics (喘息患者)」でも、ヤングアダルトは、60歳以上の高齢者に比べて、「emergency care (緊急治療)」の必要な人の数が2倍に上るとされる。

 Walesの首都「Cardiff (カーディフ)」在住のMs Amy Pay (27歳)。Ms Payも、ヤングアダルト時代は、喘息が大した病気とは思えなかった1人。自分の症状を気に掛けることもせず、吸引器 (inhalers)も使わないことが多かった。

 ところが、夜中に息切れがして咳き込み、目を覚ますようになった。実は、これが体の赤信号だった。しかし、それに気づかないでいると、症状はドンドン悪化した。ついには、街を歩いていても、途中で苦しくなって、歩けなくなるほどに。
 それで、緊急治療を受けた。病院の看護師から、「もう少し、治療が遅れていたら、取り返しのつかないことになっていた」と言われたという。

 では、「asthma (喘息)」の症状が現われたら、どうすればいいか。
 Mr David Coxが「The Guardian」に掲げた「asthma」対策7項目は、次のとおり。

1.Always ensure you have an emergency inhaler:吸引器は常に携帯
 吸引器を手放さないこと。これで「straining airways (こわばった気道)」をリラックスさせることができる。ただし、週に3回以上、吸引器を使うようになったら要注意。専門医の再診を受けた方がいい。

2.Identify your common triggers:発作原因を明らかに
 喘息患者が過敏に反応する環境要因 (environmental triggers)は、患者ごとに違う。タバコの煙であったり、花粉、冷たい風、汚れた空気と、発作の原因はさまざまだ。
 自分が、何に反応し、どのようなときに、発作が起きるのか、まず、それを知ること。また、発作の状況をメモにとっておく。これによって、発作の予防対策 (strategies)が立てられる。

3.Watch your weight:太り過ぎに注意
 肥満 (obesity)が、喘息の発症リスクを高めたり、その症状を悪化させることは、多くの研究によって証明されている事実。ただし、なぜ、肥満が喘息を引き起こすのか、その理由については、十分に解明されていない。
 何らかの原因で、気道 (airways)が炎症を起こして腫れると、喘息になるとも考えられている。現に、肥満の人は「気道に慢性の軽い炎症 (chronic low-grade inflammation)」を起こしていることが多い。

4.Keep your home clean:室内を清潔に
 週に2回は、ホコリ取りモップや掃除機で室内を清潔にすること。その際、マスクの着用を忘れずに。屋外から、環境要因の侵入を防ぐためには、高性能の空気洗浄フィルターも有効。寝具は毎週取り替え、マットレスや枕に、イエダニ (dust mite)防止カバーをつけても、効果あり。

5.Avoid pets:ペットは避ける
 ペットの「ふけ (scurf)」が過敏なアレルギー反応の引き金となって、喘息の発作が起きることがある。それでも、ペットを飼いたい人は、ペットの「grooming (毛繕い)」、「bathing (水浴び)」を丹念に繰り返し、常にペットの体を清潔に保つように。

6.Breathing exercise:呼吸法に挑戦
 呼吸を楽にする、腹式呼吸に類似した「Papworth and Buteyko methods」が提案されている。しかし、どの呼吸法にしても、それはあくまで「complementary therapies (補助的な治療法)」と考えるべきだ。

7.Moderate exercise:適度な運動を
 運動は、「asthmatics (喘息患者)」にとっても、「lung efficiency (肺効率)」を高め、免疫システムを強化する働きがある。ただし、運動を続けることができなかったり、発作が繰り返されるときは、散歩、ヨガ、水泳、サイクリングなどの「moderate exercise (適度な運動)」がお勧め。(なお、プールでは、消毒に使用されている塩素 (chlorine)で発作を起こすこともあるので要注意。)

謝辞:なお、この一文をまとめるに当たって、以下の優れた「The Guardian」の記事も参照した。記して謝意を表したい。執筆者Mr Coxの「英文の切れ (trenchant style)」は、群を抜いている。

The Guardian:July 30, 2018
・Seven ways to manage asthma
                    (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com