ウェールズの「奥の細道」:その敵は、海岸浸食に藪 (やぶ) (BBC-News, January 20, 2019)
Walesの南端「Chepstow (チェプストウ)」から海岸に沿って北端の「Chester (チェスター)」に至る道のり全長870miles (約1,400km)。それが「The Wales Coast Path (ウェールズ海岸の奥の細道)」だ。
ハイキングコースとして、国の内外から大勢の観光客が足を運ぶ人気のスポットでもある。その経済効果は、年間£84.7m (約120億円)、約1,000人の雇用を生み出している。
ところが、Walesの奥の細道は、至る所で崖や岩が崩落し、安全なルートの維持・確保が難しくなっている。原因は、近年の「bad weather (悪天候)」と「coastal erosion (海岸浸食)」。
昨年、修復を余儀なくされた箇所の総延長は379km。散策道は私有地を通っているため、そのつど、土地の保有者に道の修復あるいはルートの変更を申請する必要がある。
ただし、「Pembrokeshire Coast National Park (ペンブルグシャー国立海岸公園)」管理官のMr Theresa Nolanによると、海岸沿いの細道は、「narrower and narrower (年々細くなって)」いるという。
それに、散策道は、1,2週間もほったらかしにしておくと、木々の枝や草が伸び放題に茂り、「bracken (ワラビ)」や「gorse (ハリエニシダ)」で道が隠され、どこを歩いているのかさえ、分からなくなる。気がついたら、崖っぷちに立っていることも......。
さらに、初心者が歩きやすいようにと、細道の随所に置かれた「stiles (踏み段)」の多くも、崩れてしまった。1993年には540ヶもあったものが、現在残るのは29ヶのみ。
しかし、WalesはBritain島の西側に位置する。このため、南部の「Pembrokeshire (ペンブルグシャー)」、「Gower Peninsula (ガワー半島)」、北部の「Anglesey (アングルシー島)」、「LLyn Peninsula (リーン半島)」の夕焼けはすばらしいに違いない。
そこは、ケルト民族が、西に西にと追いやられて、最後に住み着いた地でもある。その異国の風に吹かれて、Walesの奥の細道を歩く。空も、そこに浮かぶ雲も、道ばたの草花も、どんなに美しいことだろうか。
(写真は添付のBBC Newsから引用)