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イギリスで始まった牧畜の見直し:環境に優しいミルクがあるって? (BBC-Science & Environment, January 9, 2019)

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 牧草地で牛を育てて、牛乳(dairy milk)を生産するとすれば、どれだけの牧草地が必要か。Oxford大学Mr Joseph Pooreらの研究によると、1年を通して毎日牛乳1杯分(200ml)を生産するだけでも、テニスコート2面分 (650m2)の土地が欠かせない。

 このところ、牧畜業に対する風当たりが強い。
 食品全体に占める肉・乳製品のカロリー、タンパク質の割合は、それぞれ18%、37%に留まるのに対して、農地の 83%が牧畜業が占める。さらに、農業全体の生産活動にともなう温室効果ガス排出量 (greenhouse gas emissions)の約60%が、牧畜業から排出されたもの。

 そこで、UKでは、これまでの肉・乳製品 (meat & diary)を中心にした食事から、野菜系の食事に転換しようとする運動「veganism (絶対菜食主義)」が高まっている。「Vegan Society (英国ヴィーガン協会)」の調査によると、この運動の賛同者は、過去10年間で3.6倍に増え、2016年には約54,000人に達した。
 
 環境負荷を減らして地球温暖化に歯止めを掛けよういとする機運が高まるなかで、牛乳に代わる、「植物系ミルク (vegan milk)」の販売も順調に伸びている。日本でお馴染みの「Soy milk (豆乳)」の他に、Oat milk, Rice milk, Almond milkがスーパーの店頭に並ぶようになった。
 牛乳の代わりに、これらの植物系ミルクを飲むと、温室効果ガスの排出量は、平均して約1/3に減少する。

 しかし、この反酪農、反乳製品ブームに対して、家畜業界は反発する。たとえば、「The National Sheep Association (全国羊業協会)」会長 Mr Phil Stockerの言い分は、こうだ。

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 牧草を食べて育った羊の肉は、「intensive animal farming (狭い牧舎の中で集中飼育する)」家畜の肉と違う。
 牧草地で草を食(は)む羊の群れを、人びとは、まるで「global enemy (地球の敵[かたき]」でもあるかのように白い目で見るが、この遊牧は究極の再生可能な農業スタイルであり、「planet-friendly (地球に優しい)」、生産効率の高い土地利用方法でもある。 

なお、この一文をまとめるに当たって、以下の優れた「The Guardian」の記事も参照した。記して謝意を表したい。

The Guardian, May 31, 2018
・Avoiding meat and dairy is 'single biggest way' to reduce your impact on Earth
                    (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com