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乾燥肌に「保湿クリーム」:でも、全身が火だるまに包まれるリスクも! (BBC-Health, December 18, 2018)

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 こんなことは聞いたことがなかった。保湿クリームを肌に塗って、火だるまになるなんて。
 冬のこの時機、肌がカサカサになり易い。また、「eczema (湿疹)」、「psoriasis (乾癬 [かんせん])」などで皮膚が荒れると、強烈な痒みに襲われる。そんなときは、誰でも、まず「保湿クリーム (emollient creams)」を使ってみる。

 保湿クリームの代表格は「ワセリン(Vaseline)」だ。これは、古くから、冬期の水仕事などでアカギレとなった手足の処置に重宝されて来た。「Vaseline」は、「Unilever (ユニリーバー社)」の商標。日本では、第3種医薬品として、一般に「「白色ワセリン」の名称で販売されている。ちなみに、ワセリンを英語では「Petroleum jelly (石油系ジェリー)」と呼ぶ。
 その主成分は「paraffin (パラフィン)」と「aricyclic hydrocarbon (脂環式炭化水素)」。パラフィンは、ローソクやクレヨンの原料にも使われているお馴染みのもの。もちろん、可燃性だが、純粋な「固形パラフィン (paraffin wax)」の引火点 (flash points)は、199℃と意外に高い。
 この時機、薬局の店頭には、ワセリンの他にも、大手メーカー各社・各種の保湿クリームが並ぶ。

 ところが、「Medicines and Healthcare Productions Regulatory Agency (英国医薬品・医療製品規制庁MHRA)」によると、保湿クリームを肌に塗っている人の服に、タバコの火などが移って大やけどをし、死亡する事故がこれまで 50件以上発生。
 従来、パラフィンの含有率が50%を超えると、保湿クリームの引火リスクが高くなると考えられて来た。しかし、たとえ、パラフィンが含まれていない保湿クリームであっても、これを繰り返し使用しているうちに、それが下着などに染みこんで、火に近づいたとき、着ている服が突然燃えだすこともあるという。

 Mr Phillip Hoeは、「psoriasis (乾癬)」に悩まされ、保湿クリームをいつも全身に塗っていた。2006年のある日、タバコに火を付けようとライターに親指を掛けた瞬間、全身が炎に包まれた。直ちに「Doncaster Royal Infirmary」に運ばれたが、大やけどを負って死亡した。

 保湿クリームの「注意書き」には、「やけどに注意」、「タバコの火に注意」などの文言は見あたらない。しかし、保湿クリームを塗っている人は、タバコの火や、ストーブ・暖炉などの「naked flame (裸火)」には要注意だ。
 また、下着類・服、ベッドのシーツなどを、こまめに洗濯することも、火だるまリスクを避けるためには欠かせない。
                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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