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冬どんよりと暗く寒い国:お酒を飲み過ぎて肝硬変が続出! (BBC-News, November 19, 2018)

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 万葉の時代、神事儀式に欠かせない聖なる神水(じんすい)であったお酒。時を経るにつれて、嬉しいときや、悲しいときにも、一般庶民に飲まれるようになった。
 お酒には「血管拡張作用 (vasodilator action)」があり、血管を弛緩させて血の巡りを良くし、皮下組織にまで十分な血液を送り届ける。
 しかし、お酒を飲むと、良いことばかりがあるわけではない。飲み過ぎると、ガンを誘発したり、「うつ病 (depression)」の暗闇に引き込まれるリスクが高くなる。

 「Castle Craig Hospital」のDr Peter McCannらの研究グループは、193ヶ国に関する「WHO (世界保健機関)」と「The World Meteorological Organisation (世界気象機関)」のデータに基づいて、アルコール消費量と気象との関係を調べた。
 その結果、冬寒く、日照時間も少ない国 (Ireland, UK, Germany, Poland)は、ヨーロッパの地図上に、アルコール消費量の多い中央ベルト帯を形成し、これらの国では「cirrhosis(肝硬変)」などの「liver diseases (肝疾患)」を患い、最終的には「liver failure (肝不全)」を招いて死に至るリスクが高いことが分かった(研究結果の詳細は医学雑誌「Hepatology」に発表)。

 同様の傾向は、「エディンバラ国際文化サミット2018」にて報告されたWHOのデータにも認められた。なお、その報告書によると、ヨーロッパのアルコール消費は高止まりを続け、限度を超えた飲酒によって、成人人口のおよそ半数が、短期的かつ長期的な健康上の問題や社会的な問題を引き起こすリスクを抱えているという。

 ただし、日本のアルコール消費の状況を見る限り、「The Centre for Addiction and Mental Health (英国依存症・メンタルヘルスセンター)」のJurgen Rehm教授が指摘するように、飲酒の背景には、気象だけに留まらず、生活環境や貧困、地域文化・歴史などの要素が、複雑に関与していそうだ。
 確かに、冬になると空はどんよりと曇り、雪が降って日中でも暗く、寒さの厳しい新潟、秋田、青森などの日本海側東北地方では、1人当たりのアルコール摂取量が多い。しかし、この数年、20歳以上の成人1人当たりアルコール消費量が最も多い都道府県は東京であり、次いで、冬の天候に恵まれた鹿児島、宮崎、沖縄の人も結構、お酒を飲んでいる。

 「冬寒く、暗い (a cold, dark climate in winter)」。その上、高齢化が進んで街は活気を失い、仕事がなく、「貧困」にあえいで「自殺率」の高い地方はどこか。どの国でも、そんな地方で酒が飲まれていないはずがない。それこそが大きな社会問題 (social problems)だ。

                    (写真は添付のBBC Newsから引用)

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