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19世紀に難破した帆船から黒ビール発見:イギリスに里帰り! (BBC-News, November 16, 2018)

 

https://ichef.bbci.co.uk/news/834/cpsprodpb/5D4D/production/_104358832_shipwreckedstout-6.jpg

 ウイスキーラム酒にワインなどは、熟成が進めば進むほど芳醇 (ほうじゅん)でまろやかな味になるという。これに反して、生まれたときは、水晶のように透明かつ純粋であった人の心は、大抵、年を経るにつれて、生活の汚れにまみれて濁るか色あせ、饐(す)えて鼻持ちならないものに変化する。

 作家ジャン・ジオノは、かって、南フランスのプロヴァンス地方の片田舎に住み暮らす人びとのようすを「木を植えた男」[あすなろ書房1989] に著した。
 冬寒く、耕地は荒れ果て、毎日の食にも事欠くような貧しい集落では、村人は、気品・美徳を保つことを忘れ、わずかばかりの利権・利得をめぐって互いに角(つの)を突き立てて、いがみ合って暮らす。心の病に冒され、自殺に追い込まれる人も後を絶たない。それでも、お役人は、極々表面的な人びとの生活しか見ようとしない。

 あれから約100年。なんと、その情景は、現在の日本の地方にそのまま当てはまる。哀れでならない。

 さて、Scotlandと言えばウイスキー。しかし、1800年代、Glasgow の「Wellpark Brewery( ウェルパーク醸造所)」で「Tennent's Lager (テネンツ・ラガー)」と呼ばれる「stout (黒ビール)」が生産され、EnglandのLiverpoolを経由して「Clipper ships (クリッパー帆船)」の定期便で Australiaへと運ばれていた。

 ある日のこと。クリッパー船「The Light of the Age (現世の灯り号)」は乗客42人ともに、塩、スレート、ジャム・ピクルス類、ビール、ウイスキーなどを満載し、Liverpoolから出港して、AustraliaのMelbourne港へと向かった。
 やがて、大陸が見えて上陸が間近に迫る。しかし、Melbourne港に入るには「Port Phillip Heads」を通過する必要がある。ここは潮の流れが速く、船乗りには難所として知られた海域だった。
 ところが、「The Light of the Age (現世の灯り号)」が、その難所に差し掛かったとき、船長は酒を飲んで酔っていた。クリッパー船はコースを間違えて座礁する。むろん、積んでいたお酒も海の底に沈んだ。1868年 1月16日のことだったという。

 そして月日が過ぎた。「The Geelong Skindivers Club」のダイバーMr Jim Andersonが海底の難破船 (shipwreck)から「Tennent's Lager」を引き上げることに成功し、Glasgowに持ち帰った。静かな海の底で100年以上も熟成した黒ビール。11月22日にオープンする「Wellpark Brewery (ウェルパーク醸造所)」の「New Visitor Centre」でお披露目されるそうだ。
                    (写真は添付のBBC Newsから引用)

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