まったく架空の名前のカフェ (cafe) のはずだった。ところが、限りなく同名に近いカフェが高校の近くに実在し、大騒動になった。こんな事件がオーストラリアで起きた。まさに「偶然の一致 (inadvertent coincidence)」。問題作成者は、さぞかし、青くなったことに違いない。
つい先月の10月31日 (水)のことだ。Victoria州の 12学年生 (高校3年生) 43,000人余りを対象にした英語の試験で、こんな問題が出た。
次の批評記事を読んで、これを分析、(評価)しなさい。
・Mr Jonty Jenkins (架空の人物)が、カフェ「Calmer Coffee」(架空の店)に入ると、その目を引いたのは、フラッペ、豆乳、アーモンド・ミルクを網羅した商品リスト。それに、髪の毛を繭(まゆ)に結んで、タブレットをいじくり回す男のウエイター (employees with man burns)。彼が煎じたコーヒーは、薄めで、焦げ臭いひどいものだった。その店は、いつのまにか世界中の空港で見られるようになった「soulless franchises (人の温かみが感じられないフランチャイズ)」の典型的なカフェとも言えた。
この試験を実施した「The Victorian Curriculum and Assessment Authority (ヴィクトリア州教育課程・評価局)」は、架空とされたカフェに極めてよく似た名前のカフェ「Calmer Cafe」が、とある高校の近くに実在することを知らなかった。
試験が終わると、「Calmer Cafe」のネット掲示板には、高校生からの「冷やかし、いやがらせ、苦情」の「書き込み (posts)」が相次いだ。
お陰で、店のグーグル評価は星5つから星3.5に陥落。教育省当局は「Calmer Cafe」に対して正式に謝罪したという。
そのカフェのオーナー Ms Tara ConronがBBCに語ったところによると、
『当店は、「soulless franchises」とはまったく縁がなく、ウエイターにも、頭の髪の毛を繭に結んだ男の人などいません。』
謝辞:この一文をまとめるに当たって、以下の優れた「THE AGE」の記事も参照した。記して謝意を表したい。
・THE AGE: October 31, 2018
[ A Melbourne cafe's nightmare after being in the BCE English exam]
(写真は添付のBBC Newsから引用)